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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-05-30-Sunday 改題マイ・ヒストリー⑮

TKLは大風呂敷を広げた。

「十勝から21世紀型の新しいライフスタイルと価値観を創り出して地球環境問題に貢献する。」という壮大な目標を掲げたのである。

具体的には「十勝を安全で安心なエネルギーと食糧を自給他足する環境モデル地域にする。」ということである。

つまり、「化石燃料に頼らずに自然から得られる(太陽・地熱・風力・水力)などから電気を起こして、その電気で動く自動車を開発し、更にその電気で動く農耕器具を開発する。またその電気で暖まる住宅を開発すれば、十勝を地球上で一番、地球環境に負荷を掛けない地域にできる。世界中から環境に優しい十勝を視察に訪れて来れば、視察観光という新しい分野の観光でも稼げる。」という構想なのである。

何故、このような事を言い出したのかといったら、それは「ノストラダムスの大予言」のお陰なのであった。

1973年に五島勉が書いたノストラダムスの大予言という本が大ベストセラーになった。私が高校1年生の時である。このノストラダムスの大予言の中で一番話題になった予言詩が「1999年の7の月、恐怖の大王がやって来て人類は滅亡する。なんたらカンタラ・・・」というのであった。

つまり、後3年で1999年になるわけだ。

そこで、十勝の市民に「近々、地球規模の大災害が起きたら、貴方はどうしますか?」という内容のアンケートを取ったら、9割以上の人が「十勝は、地震が起きても被害はたいしたことないし、食べ物が豊富だから食うには困らないだろう。」という類の解答だったのだ。それを見た大学教授らが「十勝の住人って危機意識が薄いね〜。十勝は日本ではおそらく一番石油に依存している地域だよ。大災害が起きて十勝に石油が入って来なくなったり、値段が高騰したら、十勝は真っ先にダメになってしまうよ。」「公共交通機関が無いから移動は自家用車だし、農作業は機械化されているし、半年間は石油暖房で住宅を暖めて暮らしているじゃないか。」「石油が無かったら、移動も生産も生活も出来なくなってしまうのに・・・」「その石油を十勝で生産しているわけではないのに・・・」等などの意見が次々に出たのだ。

言われてみればその通りで、石油が無ければ確かに十勝はアウトだ。この広大な農地を今さら人力や牛や馬で耕すことなんてとても出来ないから、石油が無ければ農業も成り立たない。そうなると食うには困らんどころか、作物を作れなくなってしまうのだ。

だが、自動車も農耕器具も暖房器具も広大で寒冷な十勝の生活には必需品である。

だから、十勝で生産できるエネルギーで動く自動車、農耕器具、暖まる住宅を開発してそれらを使えば、十勝の住民の生活は今までの生活と何ら変わりがないが、地球環境には優れた生活をしていることになる。

これなら、○○しちゃダメ、△△はダメとかという、環境問題に付きものと思われている抑制がないから住民も受け入れ易いかもしれないと考えたのだ。

しかも、これらを使えば、十勝の住民は普通の生活をしていても、地球環境に負荷を掛けない理想の生活になるから、それを見に世界中から「環境モデル地域」として視察に訪れてくれるかもしれない。

実に夢のある面白い未来予想図が出来上がったのだ。(つづく)