「北の屋台」に関しては拙著「北の屋台読本」(2001年7月29日メタブレーン社発刊)「北の屋台繁盛記」(2005年7月29日メタブレーン社発刊)に詳しく書いているのでそちらを参照願いたい。このブログには一般に販売した両著書に書けなかったことを中心に書くことにする。
98年に商工会議所と帯広市の肝いりで始まった「TMO」事業であるが、会議がまるで進展しない。そもそも開催された回数が少ないのだから当たり前と言ったら、当たり前であるが・・・。
この種の会議は、招集した側の説明にやたらと時間が費やされ、20数名の委員を選んでいるから1回の会議での発言時間は一人3分間も回ってこないのだ。
一通り一回でも発言させたらガス抜きになるとでも考えているのだろうか。
この種の会議は、いわゆる、「一般人からの意見も聞きましたよ」というアリバイ作りの会議である場合が多い。
コンサルタントも札幌の業者であるし、学者も十勝の人間ではなかった。
確かにコンサルタントは全国各地の事例を沢山知っているだろうし、帯広の大学教授はまちづくりに関しては専門外ではある。
しかし、これまでの帯広市では、高いお金を払って、コンサルタント会社に委託しても、出て来たプランで実行に移されたものなど何一つもないではないか。
各地の事例をつぎはぎして、タイトルに帯広の字を入れたような類のプランが実際に使えるはずがない。
そもそも、1カ月程度だけその土地に居て調査したのみで、帯広・十勝のことなど解るはずがない!
これまでのコンサルタントが造ったプランには「積雪・寒冷地」という十勝の特性に対する考慮が何一つないのだ。夏の暖かい時期に調査しただけでプランを作成するからそういうこと(雪の降らない地域の計画をそのまま導入する)になるのだ。そんなプランに何千万円も払うことの馬鹿馬鹿しさにもうそろそろ気付いて欲しいものだ。
私たちは生まれてこのかた十勝に暮らし、十勝の事を肌で理解している。そしてなにより十勝が良くなってくれなければ自分たちの生活自体が危うくなるのだから、それこそ真剣に考えるのだ。
が、その地域に暮らす人間だけが造ったプランには抜けている観点があるかもしれない。だから、それを補う為にTKLでは学者と組んでプランを造ったのである。
よくいう街づくりには「若者・馬鹿者(情熱的な人の意)・余所者」の3種類の人間が必要だと言われる所以である。
TKLが作成した「TMO提言書」は帯広市や商工会議所からは一銭のお金だってもらったわけではない。十勝を愛する人間の集まりであるTKLが2年間掛けて調査・研究した「TMO提言書」は、6月3日に商工会議所で商店街の役員にプレゼンした後、あっさりと、私が見ている目の前でゴミ箱捨てられるという扱いを受けたのだった。
新たに帯広市が立ち上げた「TMO」だったが何も進まない状況に、次第に委員の不満が募っていった。(つづく)