確かに日本チームが決勝トーナメントに進出したことは大変喜ばしいニュースではあるが、何もテレビ各局がこぞってW杯ばかりを放送する必要はあるまいにと思う。
どうも日本人は一つの事に集中して、他の事は忘れる傾向が強い。しかもメディアがそれを強力に後押ししている。
鳩山首相が辞める前は普天間、普天間だったのに、辞めた途端に普天間問題はニュースでの取り上げ方がガクンと減った。まだ何一つ状況に変化がないにも関わらずにである。
おそらくW杯も、今日のパラグアイ戦に負けたらパタッと止まってしまうのだろうし、もしも勝ったら次の戦いまで伸びるだけだろう。
W杯で日本チームが決勝トーナメントに進んだことによる経済効果が2900億円という、何を根拠に導き出したのかよく判らない数字が独り歩きしているが・・・。
「パンとサーカス」を政治家がやっているなら話は解るが、メディアが政治から人の目を遠ざけるような行為をやっていることには疑問を感じる。逆だろう。
参議院選挙は完全にW杯に埋もれてしまって、さっぱり盛り上がらない。日本の政治が貧困だから、国民を馬鹿にしたタレント候補ばかりが目立っているのも問題だが、一時のW杯の興奮で、今後の6年間の政治を左右する参議院選挙をこれほどおろそかに扱っても良いものなのだろうか?
今朝のテレビ番組で、娘のやっている「シンクロナイズド・アイススケーティング」という16名で滑るフィギュアスケートの団体競技の特集が企画されていたが、これも急遽、今日のW杯の特集番組の為にスッ飛んでしまった。
親馬鹿だから、いろんな方々に前宣伝していただけに、放送延期の案内をするのに大変な思いをした。
スポーツで言えば、大相撲の野球賭博が段々とすごいことになってきている。ギャンブルというのは中毒になるそうだから、意志の弱い人間はやるべきではない。しょせん胴元や金持ちには勝てないシステムになっているのだから。
飯代程度を賭けるぐらいならカワイイものだが、何百万、何千万円にもなったらシャレにもならない。ましてや、今回の様に暴力団が胴元なら、負けたら金を払わされて、自分が勝っても恐喝されて金を取られるのなら、どうやったって勝てる訳がないではないか。結局、暴力団相手の賭けはどのみち金をむしり取られるだけの運命なのだ。
暴力団もあの手、この手でシノギを得ているようだが、最近は新興宗教が的になっているという噂も聞く。
消費税率をいずれ10%にすると自民党も民主党も言っているが、暴力団や宗教からは消費税が取れないではないか。
国民から取るよりも先に、こういう組織から徴税する方が先なのではないか?
この辺をしっかり仕分けして欲しいものだ。
ところで、昨日から高速道路の無料化実験が始まったが、早速恩恵があったので驚いた。
坂本商事のHPで木彫りの一品作品を展示しているのだが、旭川の木彫収集家がそれを見てわざわざ買いに来てくれたのだ。HPを作ってから3年ほどになるが、木彫製品が売れたのは初めてである。
しかし、高速道路の無料化という政策は難しいと感じている。
私は本来は道路というものは国の責任において整備するものだと思っているから無料が当たり前だと思うのだが、最初から無料化で造っているのならともかくも、日本のようにこれまで料金を徴収していて、黒字化もしていないのに、政権交替で急に無料にするという途中変更はいろいろな意味で混乱を招くと思うのだ。
長らく国民が慣れた政策の転換を急にするのは、よっぽどの準備をしてからでないと上手くいかないだろうと思うのである。
国民の大多数が自動車の運転をする(もしくは運転を望んでいる)のならともかくも、これから高齢化社会になって自分では段々と運転をしなくなる国民が増えるのならば、受益者が減るのだから、運転しない国民は無料にする分税金を使うことになる。そうなれば国民の了承を得にくくなるだろうし、ETCカードを買った人にも不評なのではないか?
もっと日本の政治を真剣に考える必要があると思うのだが・・・。