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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-07-28-Wednesday 商店街シンポジューム

帯広のホテルで27日15:00〜

「元気おびひろまちなか商店街再発見シンポジューム」が開催された。

基調講演は日本政策投資銀行の藻谷浩介さんである。この方は私を「観光カリスマ」に推挙して下さった方である。

また、長崎県佐世保の商店街連合会会長の竹本慶三さんも近況報告をするという。この方は以前から一度お会いして話をしたいと思っていた方なので、ご挨拶がてら、何としても時間を作って聞きに行かなければならないと思ったのだ。

藻谷さんの、具体的な数字を挙げての帯広市の分析はとても面白かった。「デフレ不況の原因は、高齢化社会にある」との指摘である。

私も「十勝環境ラボラトリー」で帯広市の中心街活性化の為の「都市構想プロジェクト」を担当して、大学教授らと帯広市の将来像を探っていたので、人口が減少する高齢化社会における都市は、コンパクトシティ化しなければ、早晩、崩壊するということは理解していたし、また、帯広市や商工会議所などにも、私達が作成した「提言書」を配って、警鐘を鳴らして来た。

しかし、誰一人として耳を貸す者はいなかったのだ。

この日、会場に居たNPOの人からは「坂本さんの書いた提言書の内容と藻谷さんの言われていることは、まったく一緒の結論ですね!」と言われたが、まさしくその通りなのだ。その他の聴衆はそんな事にも気が付いていない様子だ。

地域に暮らしていて、その地域を良くしようとする人間の言うことには耳を貸さずに、有名な人の話には「ナルホド!」と感心する。

でも感心するだけで、実際の行動にはサッパリ生かさないけどね・・・。

山と海に挟まれて、言わば天然のコンパクトシティとでも形容できる佐世保の政策と、このだだっ広い帯広では、大きく異なる。

広いからこそ、行政の「まちを広げ過ぎないぞ!」という強い意志が必要なのだ。

雪の降る十勝で、これだけ街を広げたら、除雪・道路舗装・電気・上下水道の設置・維持の費用が嵩む。人口が少なくなっていくのに、誰がそれを払うんだ?

おまけに、郊外にショッピングセンターなんてものを造るから、中心街が廃れるのだ。帯広市の固定資産税の70%程度(私の推計)を中心街で支払っているというのに、中心街が廃れたらこれまた誰が負担するんだろう?

誰が考えたって無理なことを、行政に携わる人間が判らないなんて・・・。

暗澹たる気持ちに拍車が掛かった。