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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-08-15-Sunday 大道芸

十勝毎日新聞2010年8月14日掲載

「ノリ」よく盛り上げ楽しんで

さぁ、今年も大道芸の季節がやって来た!帯広の大道芸は今年9回目(北の大地で大道芸フェスティバルとしては7回目)を迎え、すっかり夏の風物詩として定着してきた。

2002年にたった1組の「ファニーボーンズ(当時はクリスピークリス&キャプテンケーボーと名乗っていた)」からスタート。今では小規模ながら、すばらしいパフォーマーたちが訪れる日本有数の質の高いフェスティバルに成長している。

芸人たちも帯広に来ることがとても楽しみだという。その理由の一つは「観客の質が高いからだ」そうだ。大道芸は芸人と観客が一体となって作りだす路上のエンターテインメント空間なので、観客も芸を見るだけではなく、場を盛り上げる”ノリの良さ”が重要になる。芸人から「お手伝いを!」と頼まれたり、芸の中でいじられたりしたときは恥ずかしがらずに快く対応してもらいたい。そうすれば、もっと楽しく見ることができると思う。

大道芸には劇場という箱がない。いわば路上の空間すべてが劇場だ。箱がないから見る前に入場料という決まった金額を前払いすることがない。

大道芸の最大の特徴は「投げ銭(なげせん)」という後払いシステムにある。

「投げ銭」とは演技が終わってから、見ているお客がお金を出すことを指す。出すも、出さないも、金額の多寡も観客の自由だ。これはスゴイ芸だと感心したら財布ごと全部出したって構わないし、つまらないと思ったら1円も払わずに立ち去るのもこれまたOK。芸の評価を何円に換算するかは客次第なのだ。

欧米の大道芸は芸が終わったら、演者が帽子を持って客席を回るのが慣例になっている。基本的に投げ銭が収入のすべて。この投げ銭集めも立派な芸の一つ。投げ銭を集めることが下手だと、いくら芸がすばらしくても生活ができなくなってしまうからだ。大道芸人は音響係から集金係まで、すべてを兼務しているパフォーマーなのである。

一流の芸人が集まるこの帯広でも路上のパフォーマンスは、この「平原まつり」の時以外では基本的に見られない。ぜひ、この少ない機会に大道芸を楽しんでもらいたいと思う。

「大道芸人殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の三日も降れば良い」という戯れ歌がある。平原まつりが開催されるは14〜16の3日間、雨が降らないことを祈ろう。