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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-09-05-Sunday マイヒストリー28

2001年1月20・21日はなんとか予定通りに、

出店希望者説明会を開催することが出来た。

前年の11月23日の十勝毎日新聞の記事と26日の北海道新聞の記事、12月28日の読売新聞の記事で、この説明会の告知をしたのであるが、年が明けても参加希望者数は低迷しており、特に地元帯広からの応募数が少なかった。

地元の人間は帯広の冬の寒さが身に染みており、屋台が帯広で通年営業できるとは思ってもいなかったのだろう。

でもそれは無理もないことだった。なにせ仲間であるはずのメンバーでさえ、この事業の成功は危ういとしか思っていなかったのだから・・・。

そんな時に思わぬところから救いの手が差し伸べられた。

十勝環境ラボラトリーのスポンサー企業であったソニー・NEC・キャノン・日産自動車のデザイナーたちの研修機関である「東京デザインネットワーク」のコーディネーターの錦織弘昭さんという方に東京で会った時に、北の屋台の構想を話していたのだが、「とても面白い構想だから、デザイナーたちの研修の為に、「屋台」を題材にしてデザインを競わせてみたい。ついては2月下旬に帯広で何泊かして研修会を開催したい」との申し出があったのだ。まさに渡りに舟である。話題作りには格好の材料だ。

話はトントン拍子に進んですぐに決定し、決定直後の1月13日の新聞記事でこの話を紹介したのである。すると、日本を代表する有名企業が北の屋台に協力するという風に感じたのだろう。この記事が掲載された翌日から申し込みが増えだしたのだ。

北の屋台事業は、何等かの問題が発生すると、その都度、救いの手が差し伸べられるという幸運があったのである。

1月20・21日の2日間に道内外から116名(新聞等では113名となっているが正確には116名)もの参加者がいて、北の屋台への関心の高さを証明した格好になった。

この説明会に参加した人たちの心配事は、「寒い北海道で屋台が通年で営業できるのか?お客さんが寒い中でも来てくれるのか?」という点にあった。

寒い中でも営業出来るということを実証してみせる必要があると思ったので、2月12日の夜に「第二回寒さ体感実験」を行うことにした。

前年の2月にやった時には客席を囲っていなかったので検証が不十分だったからだ。囲いも、ガラスとビニールというように違いを際立たせた2種類の実物大屋台を製作してデータ収集をするとともに、一般のお客さんにも飲食を楽しんでもらい、その模様をテレビで映してもらおうとの計画である。3社のテレビ局、5社の新聞社が取材に訪れてくれて、この方法は大成功であった。

前述した東京デザインネットワークの研修会も2月23〜25日まで行われ、日本を代表する企業のデザイナーたちによる屋台のデザイン多数発表され、これも新聞で取り上げられて話題を呼んだのであった。

この後、このデザイン研修会は、このまま研修で終わらせたのではもったいないということになり、せっかくのデザインを実現させたいということになって、NEC・キャノン・日産自動車の3社のデザイナーがそれぞれ北の屋台のデザインを実際におこなうことになったのである。

テレビや新聞などで連日、北の屋台の報道がされるので、話題が先行して、まだ事業を実際におこなってもいないのに全国各地から視察の人たちが訪れるようになったのだ。(つづく)