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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-09-10-Friday 帯広の人口増加?

7日の勝毎と8日の道新の記事に

帯広市の今年3月の人口が9年振りに増加したと載っていたのを見てか、「坂本さんの人口が減少するという予言がはずれましたね」というメールをくれた読者がいた。

この方を含めて、そう感じている人が結構多くいるのだろうと考えて、反論することにした。

ハッキリ言うが私は予言などしていない。

私は、「日本の人口が減り、北海道の人口が減り、十勝の人口が減る、人口減少社会が既に到来しており、これに対処するには、都市部に集中して暮らすコンパクトシティ化が必要だ」と説いているのである。

つまり、北海道における札幌一極集中のように、十勝では帯広一極集中させることが必要だと言っているのである。

だから、将来的には帯広市の人口が増えることは必然なのだが、まだコンパクトシティ化をやっていない現状で帯広市の人口が増えたのは、全体の方向性は減少に向かっているのだが、その幅の中での多少の凸凹に過ぎないと見ている。人口減少社会への対応をしていない現状で、わずかこんな程度の人口増加があったからといって喜んでいたら、物事の本質を見失っていまうから、今回の人口増加はあまり歓迎すべき事態ではないと判断している。

帯広市単独のデータでは不完全で、近隣の音更町・幕別町・芽室町のいわゆる帯広圏での人口を見なければ本質を誤る。

人口が右肩上がりに増加していた「列島改造論」時代の「国土の均衡ある発展」という政策は、人口減少社会では負担と無駄が増えるばかりであるということなのだ。

道路も水道も、およそインフラというのは造ったら、それでお終いというのではなく、造った後にも維持の為のメンテナンス費用というのが掛かるものなのだ。減っていく人口で、経済も縮小していくなら、当然なことに税収も落ちていく。今後は造るどころか、昔に造ったものを維持すらできなくなっていくのは明らかだ。

山の中に老人がたった1人で暮らしている場合、そこに上下水道・電気・道路などを整備していけば、たった一人がものすごい税金を使って生活していることになる。これは逆にものすごい不公平なことではないのか?

もちろん生活権というものが存在するから、今すぐに都心部に移り住みなさい、なんてことはできないだろう。

だから、10年ほどの時間を掛けて少しずつ、その方向に進めていくのだ。つまり、政策のベクトルの向きを、人口増加時代の方向から、人口減少時代の方向に変えなさいと言っているのである。

私は、公共事業というものに反対はしていない。

ただし、人口増加時代の拡大政策の精神のままでの公共事業をやり続けていけば、子供や孫の時代に、とんでもない多額の負担を残すことになってしまう。

だから、人口減少時代の縮小方向の精神で公共事業を行いなさいと言っているのだ。

例えば、コンパクトシティ化と農畜産地と、自然環境を保存する地域のメリハリを付ける政策に公共事業費を掛けなさいということなのだ。

コンパクトシティ化するのにも公共事業は必要だ。しかし、それは今後の日本にとって必要な事業なのだから、必要経費なのである。

ただ単に「国土の均衡ある発展」という精神で「新幹線」や「高速道路」を造ることには反対だ。

人口減少する中での、都市と都市を結ぶ公共交通機関としての「鉄道」の在り方や「道路」の在り方を考えた上で公共事業を展開していくべきだろうと思う。

現在、今すぐに人口が増加する(子供の出生数が増える)政策を取れたとしても、その効果が現れてくる(その子供たちが子供を生みだす)には20年以上の歳月が掛かる。しかし、日本の政府は有効な政策を取れていない。

だから、人口減少社会への舵取りを早急にする必要があると言っているのだ。

ご理解いただけましたか?