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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-09-21-Tuesday マイヒストリー31

2001年5月27日(日)に第一回の北の企業広場協同組合の総会を開催した。

これからの活動理念の発表や、建設経費の賄い方など、一番重要な総会である。この総会には市役所、商工会議所、全国中小企業団体中央会の方々やマスコミ関係者も呼んである。補助金をもらう以上はこういうことは全て公開でおこなうことが必要だとの認識である。

翌28日には5月15日に続いて、屋台出店者の顔合わせや理念の説明などを繰り返しおこなった。出店者が理念を共有せずに、単なる商売としてしか北の屋台を捉えていないと、運営がメチャメチャになってしまうからだ。ここがこの事業の一番肝心なところなのである。この後もオープンまで何度も理念の共有を諮る会議を開いていった。

6月1日(金)には地鎮祭を行った。本当はもっと早くに工事に入りたかったのだが、補助金の関係で6月1日からしか事業を開始できない決まりなのである。6月1日に許可が出て、それからの事業開始であるから、本来なら1〜2日後からしか動けないはずだが、1日午前一番に許可の連絡をもらって、すぐに始めたということにして落ち着いた。この辺がお役所の融通の利かないところだ。

北の屋台は2001年7月29日(日)の午前11:30にオープンする予定であるが、23日(月)に仮オープン、26日(木)18:30にプレオープンを行った。このプレオープンには現北海道知事である高橋はるみさんが、当時は経済産業省の北海道経済局長として参加してくれたのである。

屋台店主達はほとんど全員が素人である。いきなりお客さんを入れて、対応がまずかったり、料理が不味かったりしたら、評判がガタ落ちになってしまうから、事前に関係者を招いて慣れさせようという目的である。

まだ、屋台の内装が完全に出来ていない屋台もあったり、テンパってしまって、オロオロだけして仕事がサッパリ進まない店主もいる。

特に、前述した「東京デザインネットワーク」の企業デザイナー達がデザインしてくれた農屋(日産自動車)・徒然(NEC)・古事記(キャノン)の3軒の屋台は、話題は呼んだのだが、デザイナーが帯広にしょっちゅう来る訳にはいかないから、細かい指示が活き届かずに、製作に手間取っていたのである。

そこにメディアが多数押しかけてきて取材するものだから、店主達の精神状態はかなり張りつめた様子だった。

20軒分のブースを建設したが、16軒しか契約が決まっていない。

各屋台の営業場所は、希望する場所を応募用紙に2ヶ所書いてもらい、テナントミックスを考えることにしたが、ほぼ希望通りの配置になったのだが、当初は、トイレの付近の屋台が店主には人気がなくて、希望者が居なかったので、トイレ近くの4軒を北の起業広場協同組合の運営にしてレンタル屋台として貸し出すことにした。実際に北の屋台の営業が始まるとトイレ近くの屋台の売り上げが一番多かったのである。2期目以降は皆、このトイレ近くの店舗を借りたいと競うようになるのだから、初めての事業というものは机上で考えるのとは違いがかなり出てくるものだと痛感した。それでも、オープンの日には借り手が居ないので、組合で駄菓子・ソフトクリーム・イキヌキン人形焼き(屋台のシンボル像の型焼き)などの屋台を運営した。

マイヒストリー30で書いた後藤健市君は、仲間5名で出資し合って、「えん」と「連」という2軒の屋台を運営してくれた。時には後藤君本人が屋台の店主を務めて、屋台に立ったりもしたのである。その後、この2軒の屋台は「北の屋台」の当初の目的である。「商売の原点である屋台で素人の人間を育て、一人前に稼げる様になったら独立させる」ことを実践し、現在は「えん」で働いていた春日君という人間に完全に譲って自身は身を引いている。金銭的にもバックアップしてあげるのが北の屋台創業の精神であるはずなのに、最近の北の屋台はこの精神を忘れているかの様な変な噂が聞こえてくるので憂慮しているのだが・・・。

翌、27日は十勝環境ラボラトリー(TKL)の「国際環境大学公開講座」の日程である。この日の講師は、TKL創立の際に尽力してくれ、「東京デザインネットワーク(TDN)」を紹介してくれた「文化科学高等研究院」の社長の竹沢えり子さんをお呼びし、帯広での活動の成果である「北の屋台」を見てもらうことにした。

TDNの方々も自身が手掛けたデザインの屋台が完成しているので、見に来てくれているから、東京の人たちが帯広で集合する形になった。

これまで、お世話になった方々に成果を見てもらうのは嬉しいことである。(つづく)