「大道芸フェスティバル開催の危機」
このところ毎年、平原まつり(8月14〜16日)の開催に合わせて行っている「北の大地de大道芸フェスティバル」は今年で通算9回目(フェスティバルとしては7回目)を終え、来年はいよいよ10周年の記念すべき大会になる予定であるが・・・。
ここに来て、この開催に黄信号がともり始めた。
最大の問題は、このフェスティバルの初回からの出演者で、これまで9回全てに出演し、招聘する大道芸人の選定から交渉までを一手に引き受けてくれていたファニーボーンズが、来年の開催時にはヨーロッパの大道芸の大会に出演するために、帯広には出演できないということなのである。
彼らファニーボーンズがいたからこそ、帯広の大道芸フェスティバルは成立していたと言っても過言ではない。彼らが仲間の大道芸人たちに「帯広っていう面白くて、食べ物のおいしい街があるんだけど、一緒に行って帯広の大道芸フェスティバルに参加しないかい」と誘ってくれたから、一流の芸人たちが仲間意識で集まってくれていたのである。だからこそ、いわゆるエージェントなどを通さないで手づくりの運営ができていたのだ。
ヨーロッパの大道芸フェスティバルに招聘されるということは彼らが世界に飛躍するということだし、仲間としては心から送り出してあげたいとも思うが・・・。
もう一つの問題は、JALの破綻である。8月のお盆期間は、正月と同様もともと航空運賃の割引が無い期間である。今年までは株主優待券を活用して少しでも旅費を安くできるように工夫してきたが、破綻によって株主優待サービスが消滅してしまったので、来年からは正規の一番高額な航空運賃でしか来てもらうことができなくなったのだ。
問題解決の選択肢は幾つか考えられる。一番簡単なのは来年だけ一回休止するという手。もう一つは開催時期をお盆から別の日程に換えるという手段だ。
そうすれば、ファニーボーンズも日本に居るから参加できるし、旅費も安くすることができる。だがその場合、単独で「大道芸フェスティバル」を開催するとなると、日程と開催場所と観客数の確保ができるかという問題点が出てくる。平原まつりも「北の大地de大道芸フェスティバル」がなくなったら観客動員数ではかなり寂しい状態になってしまう可能性も考えられる。
9年連続で大道芸を開催してきたから、市民には夏まつりの風物詩になっていることだろう。さても悩ましい問題である。