«前の日記(■2011-01-07-Friday) 最新 次の日記(■2011-01-09-Sunday)»
 | トップ |  | ビル概要 |  | テナント構成 |  | 沿革 |  | アクセス |

観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-01-08-Saturday 出処進退

今朝の道新を読んで驚いた。

北海道新聞の十勝版に掲載されている「防風林」というエッセイ欄に北の屋台で第一期から営業している「御多幸」の田淵悦子おかあさんのエッセイが載っていたのだが、これを読んで二重三重の意味で驚いてしまった。

田淵さんのエッセイの内容は北の屋台の第4期目にも出店することになったというのである。

北の屋台は今年2月末に第4期目の入れ替えをする予定だとのことだったが・・・。

アレ〜ッ、確か第3期目の契約では去年の11月末が入れ替え時期だった筈だ。それを組合が、契約者たる屋台店主達の承諾も無しに、勝手に2月末まで期間の延長をしたとは耳にしていたが・・・。

それにしても、組合がメディア等に正式に第4期の出店者を発表する前に、店主側からエッセイとはいいながら新聞という公器で発表するというのはちょっと違うのじゃぁないだろうか?

組合も決まったものならサッサと発表すれば良いのに、何故発表しないのだろうか?それとも発表できない訳でもあるのだろうか????

去年の11月に「えん」の春日さんが北の屋台を卒業して12月初旬には北の屋台近くの西1条11丁目のカメラ屋さん跡に出店した。

これは、本来の北の屋台第3期の契約書に基づいた行為なのであろう。

組合が勝手に契約者の承諾無しに期間の延長をすれば、「えん」さんのように街中に出店することを計画していた人の予定が大幅に狂ってしまう可能性すらある。契約というものは一方の勝手な判断で変更などできるものでは断じてない。

街中の良好な立地にある建物が急に空き店舗になる場合がある。その空き店舗に屋台で営業している店主が、独立して入居したいと考えた場合を想定して、組合は保証金というものをあらかじめ店主から預かっているのだ。

屋台の店主にしてみれば、今後の自分の人生が懸かっているのだから、たとえ屋台の契約期間の途中であってもその場所を確保したいと考えるだろう。

その場所をその空いた時に確保できなければ、誰か他の人に契約されてしまったら終わりだ。またいつ同様の物件が空くかは判らない。都合良く、契約終了間際に、良い立地の空き店舗が出るという偶然はないからだ。

また、新店舗を確保する為には新店舗の家賃(家賃は使用するしないは別にして契約した時から払うもの)を払わなければならない。

北の屋台の契約期間中は北の屋台を退店することはできないという契約にしてしまえば、店主たちは使いもしない場所の空(から)家賃を払うことになってしまう。これは、金銭的蓄えの少ない屋台店主には辛いことだろう。

しかし、組合としても営業している場所が急に空くのは困りものだ。だから保証金で、契約期間中に退店するケースを想定して契約満了1年前の退店ならいくら、2年前ならいくらの金額を組合に頂きますよ。良い物件が見つかったら屋台はいつでも卒業して結構ですよ、というのが当初からの方針なのだ。

組合はその保証金から頂くお金で契約期間中の店舗の活用策を考えて、他の屋台店主らに迷惑が及ばないようにするのである。それが組合の重要な仕事のひとつであると考えてこの項目を入れたのだ。私は不動産賃貸業をしているからその辺はプロなのである。

組合が勝手に2月末まで期間を延長したのはいわば契約違反であるし、不動産賃貸業としてはあるまじき行為である。「えん」が11月末に退去したのは、当初の契約書通りの行為であろうから11月末に退店した「えん」から保証金を徴収することは組合には出来ないだろう。

だから「えん」の退店した跡は、現在もそのままに放置されているではないだろうか。これは組合のおおいなる怠慢である。「えん」は2店舗分を使用していたから、その2店舗が3ヶ月間も空いたままの状態というのは、北の屋台全体に取っても良いことではない。空き店舗というのは全体の雰囲気を大きく損なってしまうからだ。

組合が3ヶ月間だから店主に我慢しろというならそれは役割の放棄に等しい。理事は何の為に給料を取っているのだろう。せめて給料分の仕事くらいはして欲しいものだ。

本来、北の屋台は「まちづくり」として始めた事業である。『北の屋台は、商売のいわば素人が屋台という商売の原点で商いを始めて、3年間で商売のノウハウ、固定客と軍資金を獲得して北の屋台を卒業し、街中のシャッターの閉まった店舗に出店することで商店街を活性化し、再び北の屋台の空いた箇所にやる気のある人を入れることで北の屋台も活性化させる』というサクセスストーリーで始めたものである。

上記の固定客・ノウハウ・軍資金を得た店主は自主的に卒業して後進に道を譲って下さい。だが、なかなか1期3年間ではこれらは達成できないという店主もいるだろうから、組合は3年間で総入れ替えという姿勢は崩さないので、まだまだ不足だと思う屋台店主は、再度申し込みをする権利は与えましょう。ただし、。総入れ替えだから、店主の希望通りに再選されるとは限りませんよという考え方なのである。なるべく意欲のある若い人に機会を提供するという理念なのだ。

本来の屋台は「個」である。しかし、北の屋台は「個」である屋台を「集団」化させることで規制や既成概念を打破してきた。個が集団より優先されれば北の屋台は存立基盤を失ってしまう危険性がある。

出処進退を表わす言葉に「出ずるときは人に任せ、退くときは自ら決せよ!」というのがあるが・・・。

段々と北の屋台の創業の理念が失われていくようで寂しい思いをしている。