「中心市街地に機能集中 政府が新方針 人口減に対応」の見出しがあった。
政府が、街づくりの基本理念をまとめた「都市再生基本方針」を大幅に改定し、郊外開発を抑制して都市機能を中心市街地にコンパクト化する方向を本格的に打ち出すことを決めたという。
エッ今頃か?!遅過ぎるだろう。というのが正直な感想だ。
人口が減るということは20数年前から言われていたことだ。人口統計表をみれば誰が見ても一目瞭然のことなのに、政治家は誰もそれに触れないようにしてきた。
言霊(ことだま)(口にしたことが現実化するという日本古来からの考え方)に支配されている日本人にとって、人口が減るということはあってはならないことだったのだろう。
つまり、人口が減るということは成長が止まるということを意味しているからだ。
統計的に見て、その人口減少社会が訪れることは判っていても、口にしたら「お前がそんな不吉な事を言うから現実化したのだ」と非難されるから、見て見ぬ振りをしていようというのが日本人の悪い癖である。
事前に対処することをしてこなかったから、今日の日本の窮状があるのではないのか?いったい日本人はいつまで言霊に支配され続けようというのだろうか?
これは、これまで長い間の政治を司ってきた自民党政権の罪である。
人口が右肩上がりに増えていた時代はまだこんな問題は予見できなかったろう。だが、この成長政策を、人口減少することが判っても続けてきたことに問題がある。
人口が減る時代の政策はベクトルの向きが逆になる筈なのだから、判った時点でおおきく舵を切らなければならない筈だ。
それが、ようやく民主党政権になって、検討するという段階になったというのだから呆れてしまう。政治家の反応が鈍過ぎる。
北海道は積雪・寒冷地である。雪のない東京などとは条件が大きく異なる。
この広大で、財政難にあえぐ北海道こそ、真っ先にコンパクト化しなければ生き残ってはいけないはずだ。
生活条件の違う東京にある政府の行うことを待っていたら、北海道の明日は無い。
逆に北方圏の生活様式として世界に手本を示す位の意気込みで実施しなければならないと思うのだが・・・。
昨日、購入した週間誌の「文春」の125ページに「ルポ高齢者に本当に優しい町23」という特集に帯広市の名が挙がっていた。
私を「観光カリスマ」に推挙してくれた藻谷浩介(日本政策投資銀行)さんが書いてくれたものだが、「夏の爽やかさが天下一品」と評してくれている。確かに夏は良い。
しかし、冬はどうだろう?
先日も書いたが、帯広市中心街は街中ですら、冬期間は満足に歩くことすら出来ない街になっている。せっかく褒めてもらったのだから、冬の街中を早急に考えて実行に移すべきときだろう。
街をコンパクト化するには10年以上はゆうに時間が掛かる事業だ。まずはしっかりと帯広・十勝の将来像を考えて公表する必要があるだろう。