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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-01-29-Saturday マイヒストリー45

2004年9月2日から

世界ラリー選手権WRC(World Rally Championship)が十勝で開催された。

自動車は安全に走れば良いとしか考えていない私は、自動車レースのことには全く関心がない。以前(1998年3月19日)に、十勝環境ラボラトリーの公開講座に、ホンダF1チームの監督だった桜井淑敏さんをお招きした時も「誰?その人」と言ったくらいだし、その桜井さんが講演終了後に、「坂本君がモナコグランプリを観戦したいなら○万円で手配してやるぞ!」と言われたときも、「ヘェ〜そんなに高いんですか?興味ないから止めときます」とアッサリお断りしたのだが、自動車レースが大好きな友人が「○万円で観戦できるなら俺なら絶対に行ったのに、何故、俺に言ってくれなかったのだ!」と悔しがられたことがあったほどだ。だからWRCとF1の区別もつかなかったのである。

日本で初めてWRCのレースを、この十勝で開催すると言われても全然ピンとこなかった。どうせ大したレースじゃぁないだろうとしか思っていなかったのだ。

7月中旬頃から関係者の外人スタッフが何人も北の屋台を訪れてはいたが、まだまだ大したことはなかった。

その認識が変わったのは9月2日の開幕式であった。帯広市の駅前のメインストリートである平原通りに、朝から人がマットや椅子持参で場所取りをしている。開幕式は夕方からの開催なのにだ。近年の帯広市で開催される催しで一番人を集めているのは8月の13日に開催される勝毎花火大会だろうが、これは十勝川の河川敷で開催されるので人の混み様が異なるから比較はできない。だが、翌14・15日に平原通りで開催される盆踊りに集まる人に比ではないくらい大勢の人がいて歩道をまともに歩けない。しかも、ほとんどが十勝以外から来たラリーファンの人達だ。外人も大勢いる。海外の報道関係者も多数が来ていて、上空には取材のヘリコプターまでビルの真近に降りてきて撮影している。

8丁目の藤丸前の道路で、車やドライバーなどを1台ずつ紹介し、その紹介された車が駅前の12丁目まで走って、駅でUターンして、そのまま愛国の会場まで走っていく演出だ。

おそらく、帯広でこんなインターナショナルな催しものが開催されるのは初めてではなかろうか?

私も自分の認識の甘さに愕然としたのだった。

北の屋台は、このWRCの関係者達やメカニックの人達が、大会前から出入りしていた。屋台の風情が外人に受けたようなのである。北の屋台に外人が大勢固まって飲んでいるからか、フランスのテレビ局のレポーターが北の屋台にちょんまげのかつらをかぶって取材に来たりもしたほどだ。だが、外人はビール一杯で2時間以上ももたせるような飲み方をする。そんな外人に北の屋台を占拠されてしまうと、日本人観光客が入るスペースがなくなってしまうのだ。言葉の問題もあった。まともに英語を話せる人間がいないのだ。ペラペラなのは「順香(しゅんしゃん)」のママのかおりさんだけである。単語を並べるだけなら私でもなんとかなるかと思って助っ人に出たのだが、結局、私は何一つ役立たずに終わってしまったが、もう少し事前にメニューなどもキチンとした対応を考えておくべきであった。

一方、ラリーのファンの日本人はお金が無い人が多いようだ。北の屋台に来た客は500円玉一枚を差し出してこれで何か食べさせて欲しいというような若い客が多かった。宿泊先もホテルではなく、帯広市が急遽用意した帯広市体育館で寝泊まりしていると言う。普段から節制して金を貯めてラリーの観戦をしているのだそうだ。かわいそうになって、ご馳走してあげたのだった。(つづく)