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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-02-10-Thursday まちづくりの夢

私には「まちづくり」の夢があった。

以下の『 』内の文章は「十勝場所と環境ラボラトリー」が1997年5月16日から十勝毎日新聞紙で毎週土曜日の文化欄に連載していた「十勝の場所の意志に学ぶ」と題したコーナーに、2006年3月18日(土)に私が書いた文章である。

私が北の屋台を卒業したのが2007年3月末日であるから、その1年前の文章ということになる。公の新聞に掲載されたのだから私の意志の表れと思ってもらって差し支えない。

「まちづくり」にはお金が掛る。補助金で行う事業は制約が多いし、会費だけで行う事業では大したことは出来ない。幸い、私たちは「北の屋台」というお金を生み出す事業を成功させた。借金を返済し終わる2007年11月からはその返済分を「まちづくり」に全部使えると私は考えたのである。私の所有するビル内にあった北の屋台の事務所に併設して、まちづくりの諸団体が集う場所を造り、共同の事務局員を一人別に雇って・・・。だが、その夢は・・・。

『「帯広のまちづくり組織〜中心メンバーに負担集中 共同事務所、局員を〜」2006.03.18勝毎掲載

帯広は「三人寄れば一つの団体ができる」と言われるくらい組織をつくるのが好きな地域らしい。しかも、同じ人間がいくつもの組織に重複して加入する傾向が見られるという。一人で10以上の組織に入っている人もいる。

組織の寿命はおおむね10年くらいと言われており、中心で活動している人間が五○歳代になるとくたびれてしまい、パワーを失ってやがて解散してしまうようだ。

「継続は力なり」とはよく言う言葉だが、なかなか組織の中では後継者が育たないから継続したくてもできなくなってしまうのだ。この「育たない」という表現は実は間違っているのかもしれない。若い人たちは前述したように次々と自分たちで新しい組織をつくって活動を始めるからだ。しがらみや制約のある組織に入って先輩の顔色をうかがいながら活動するよりも自分たちだけで自由にできる組織をつくったほうが手っ取り早いということなのだろう。継続期間は短くなるが、その分活動のエネルギーは高いといえるのかもしれない。

これまでの成長時代にはこれでもよかったかもしれないが、安定時代に入った今日ではこの方式だとノウハウの蓄積がなされずに、活動が停滞(成長しない)してしまうのではなかろうかと危惧している。

もう一つの特徴は、事務局を担う人たちが自分の仕事をしながらボランティアで兼務していることだ。当然ながら事務局の人の負担が大きくなってしまう。組織の会員数が二〇人を超えると連絡事務だけでも煩雑になり、活動自体がおろそかになってしまう。しかし、人件費や事務所費を払えるほどには会費を徴収できないから誰かが犠牲になってボランティアで事務局を務めなければならないのである。内容の濃い活動をしようと思ったら事務局の専任化と事務所は必要な条件だと考える。

幸いにも私たちの組織である「十勝場所と環境ラボラトリー」は事務所と二人の専任事務局員を持つことができたから「北の屋台」のような活動ができたのだとも思っている。

この「十勝場所と環境ラボラトリー」も1996年からの活動だから、今年で10年目を迎えることになるが、ご多分に漏れず後継者が育っていない。

組織の中で後継者が育たないなら、別な仕組みを考え出さなければならないだろう。いくつかの組織が共同で事務所と事務局員を抱えるという方法はどうだろうか?

同じ場所に複数の組織の人たちが頻繁に出入りして気心が知れ合えば、その内に一緒に活動しないかなどということになってくれたら面白いと思う。組織の合従連衡が起れば結果的に後継者が生まれることになるのではと期待している。』