東電の勝俣会長(清水社長は高血圧で入院したとか、トップが逃げてどうする?)は福島第一原発を廃炉にする方針を明言し、政府も枝野官房長官が廃炉にすべきだとの見解を表明した。(この文章は31日午前10時に書いている)
燃料棒を冷却する為に海水を注入した時点で使い物にならなくなっているから廃炉は当然で別に驚きもしなかったが、その掛かる費用と期間の長さにはビックリしてしまった。
私は原子力のことについてはまったく疎いのだが、新聞によると、ごく普通の原発、例えば茨城県東海村の原子力発電所は1998年に営業運転を終了した後、2021年まで23年間も掛けて廃炉を段階的に進めていくのだという。その費用が890億円だそうだ。
事故のない(東海村は過去に事故を起こしているが)原子力発電所でさえ廃炉にするのに、これだけの期間と費用が掛かるというのである。
ましてや、今回、事故を起こした福島第一原発は、周りに放射能物質がバラマカレているのだから、東海村の原発の廃炉よりは手間も費用も数段掛かるであろうことは、どんな素人が考えたって分かる理屈だろう。
福島第一原発の場合は1機1000億円として1〜6号機まであるのだからザット換算しても6000億円である。
放射能が出続けているのなら、作業は遅れるだろうから、倍近くは掛かるであろう。1兆円を超えると試算している専門家もいるようだ。
完全な廃炉まで掛かる期間も50〜100年なんて書かれている。
チェルノブイリは廃炉になった後、すでに25年も経っているが、半径30km以内は2010年まで立ち入り禁止区域になっていたはずだ。
福島第一原発の場合はどうなるのだろう。まだ新聞ではそこまでは書かれていないが・・・。
原発は造る時にも多額の費用が掛かり、操業時にも安全対策に費用が掛かり、運転が終わった後も20数年掛かりで900億円近くを掛けて廃炉にするならば、コスト面からみても、安価とは言えないのではないのか?
おまけに、燃料の原子力の処理は、現代化科学では出来ないから、現代は地下深くに保存しておいて、未来の科学にその処理方法を依存するというのも無責任な行為ではないのか?
未来にツケを回すようなものだろう。
日本のエネルギー政策は、根本から考え直すべきだろうと思う。