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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-04-02-Saturday 初心

初心忘れるべからず

人間、驕ってはいけない。常に創業時の気持ちに立ち返って満心を戒めなければ成長はない。

北の屋台は「屋台」である。長屋でもないし、店舗でもない。

では「屋台」の基本とは何なのか?

それは商売の原点である。

「建物」の店舗をまだ持つことが出来ない人が「屋台」で商売を始めて、商売のノウハウを身に付け、お金を貯め、固定客を獲得し、そうして「屋台」を卒業して「店舗」へと発展していくのだ。

当然のことながら、「屋台」には法律も含めて制約が多い。

しかし、その制約のある中で、工夫をして商売をするところに屋台の妙味がある。

屋台の大きさというのもその制約の一つであろう。

日本で一番、屋台が集まっている福岡博多の屋台を例に考えてみよう。

屋台は法律に依って大きさが決められている(3×2.5m)。移動・組立・撤収も毎日しなければならない。おのずから、一日の商売で持ち運べる食材の量や飲み物等の量と種類には限度があるから、天候や客数などを考慮しながら、店主が判断して決めるのである。

制約のある中で、各屋台店主が最大限の知恵を使って、出来うる限りの効率的な商売をしているのだ。

「北の屋台」は「屋台」と名乗っている以上は、「屋台」の精神や商売のやり方を踏襲して欲しい。それが私の考えた「北の屋台」創業の原点である。

「屋台」だから店は狭いだろう。狭いから不便だろう。

「屋台」だから寒かろう。

では、狭いから屋台を大きく拡げるのか?

寒いから、がっちりした高気密な壁でも造るのか?

そんなことをやるなら、それは「屋台」ではない。

「屋台」が狭くて不便で寒いなら、サッサと「屋台」を卒業して、自分の自由に出来る店舗を構えれば良い。客単価を上げる為に、たまにしか出ない高級酒を常時、屋台に置いていたり、またはお酒をボトルでキープしたりなんて、大きさの制限がある屋台のやることだろうか?

工夫することをヤメ、屋台の精神を忘れた店主は「北の屋台」には似合わない。

与えられた条件(法律・大きさなど)の中で、工夫しながら商売をするから勉強になるし、また周りも協力してくれるのだ。

「北の屋台」が屋台であることを忘れ、普通の飲食店の集合体になったのなら、最大の特色を自ら捨て去ることにもなる。

各々の屋台が勝手なことを始めたら、「屋台村」としての意味をなさない。

福岡博多の屋台は「個」であるから法律の壁を突破できなかった。北の屋台は、本来「個で」である屋台を「団体」化することで、諸問題をクリアにしてきたのだ。団体としての意義を失ってしまえば北の屋台は瓦解してしまう。

団体を引っ張っていくには「理念」の共有が重要だ。その「理念」をあいまいにしてしまったり、忘れてしまえば「北の屋台」の存在意義が無くなる。

もう一度書く「初心忘れるべからず」である。