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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-05-29-Sunday 列車事故

いつも乗っているJR石勝線(札幌ー釧路間)で

27日21:55頃に占冠(帯広と札幌の間)近くの第一ニニウトンネル内で、釧路発19:08(札幌着22:58)の特急スーパーおおぞら14号(6両編成)の2号車(後方から2両目)が脱線火災事故を起こして全6車両が全焼した。

石勝線はトンネルの多い路線であるが、問題なのは火災を起こした列車を何故にトンネル内で停止させたのかということだ。

私は自動車の運転が嫌いなので、札幌に行く時には例外なく列車で移動する。その際にいつも乗っているのが、このスーパーおおぞら号(札幌ー釧路)もしくはスーパーとかち号(札幌ー帯広)なのである。

だから、この事故には正直驚いたと共に考えさせられた。もしも自分がこの事故車両に乗車していたらどの様に対処したかをシュミレーションしてみたのだ。

この列車は良く停まる。その多くは野生のエゾ鹿との衝突事故か、強風による停車か、大雪などである場合が多い。

私も何度か停まった列車に乗ったことがある。

エゾ鹿と衝突した場合は、急ブレーキを掛けて停車するのだが、その停車までにはやや時間が掛かる。乗客への安全性を考えて、急ブレーキとは言いながらも、実際に列車が停車するまでに列車が走る距離は結構な長さがあるのだ。

停止してから、車掌が列車を降りて、鹿を轢いた現場まで徒歩で向かうのだが、制動している間に列車が進んでしまって、1㎞ほど現場から離れてしまう場合もあるようだ。

線路や列車に異常が無いかを確認してから出発するから30〜40分ほどの時間を要する場合が多い。車掌も普段は最少人数の1〜2名ほどしか乗せていないのではないだろうか?

今回の事故の問題の第一は、トンネル内停車したことだが、しかも、その少ない乗務員が列車を降りて確認している間に、火災による煙が列車に充満しだしたことだ。

乗務員はまず乗客を先頭の方の6〜4号車に誘導したそうだが、乗客によると、乗務員は事故後20分が過ぎても、車内放送で、乗客に列車から降りない様に指示したそうだ。しかし、その間に煙の量が増えてきたので、乗客の何人かが独自の判断で非常用ドアコックを開けて列車を降り、進行方向(札幌方向)に避難して助かったのだと言う。

もし、その乗客の独自の判断(JRの指示に反して列車を降りて脱出したこと)がなかったら、煙で犠牲者が出ていたかもしれない。死亡者が出なかったのが幸いである。

この列車の乗務員の危機対応は誤りだらけである。

こういう事故の場合、まずはJRの指示に従うのが常道であろう。しかも、現場は、夜間で、明りの全く無い山の中の、更にトンネルの中である。そこに煙が充満しだしたら、これは指示に従って列車内に残って居る場合ではないだろう。

もし、この乗客等の独自の判断が無く、そのまま全員が車内にいたら、多くの犠牲者が出ていた可能性がかなりの確率であったことだろう。

最終的には自分の身は自分で守るしかないのだ。

だが、どの時点で判断するかが問題だ。事故直後に銘々が勝手に行動したらパニックになって、別な事故が起きてしまう危険性もある。

先の東日本大震災でも、津波に対する一瞬の判断が生死を分けたと言えるだろう。事故にあった際に冷静に対応する為には、普段からこういう場合はどうするのかを考えておく必要があるだろう。