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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-06-20-Monday 高速道路

昨日の19日(日)で

高速道路の「土日・祝日の上限1000円」の割引制度と無料化社会実験が終了した。

北の屋台を作る時に、気を付けた点のひとつに「便利さには不可逆性(後戻り出来ない)がある」という事であった。

人間の心理というものは、不便なモノが便利になっていくことを歓迎するが、便利なモノが不便になるのは我慢しずらい傾向があるということである。

不便なものが徐々に便利になっていくのは嬉しいことだが、一旦便利にしたものを、ある日突然不便に変えてしまうとブーイングが起こり易いのである。

だから何も考えずに、便利になるのだからとか良いだろう、安くなるのだから良いだろうと安易に実行してしまうのは、後戻りさせずらいだけに慎重にやらなければ返って反感を買うことになってしまうのである。

高かった高速道路の料金が一旦安く(またはタダ)なったら、今度は少しでも料金を上げると、以前の料金よりも例え安かったとしても、消費者の抵抗感が増すものなのである。

社会実験とはいうが、人間の慣れというのを軽視してはいけない。一旦ゼロ円にしたものを、また元に戻すというのは、かえって抵抗感を増してしまう行為だ。

そこらへんを民主党の国会議員の方々は理解しているのだろうか?

社会実験はやってみたら良い。やってダメだったら考えるというものではないと思うのだ。人間の心理というものをもっと研究してから実施するべきだろう。

今回は、東日本大震災の復興財源の確保という、誰もが反対できない大義名分があるから、メディアなども正面切っての反対を唱えることはできないだろうが、消費者の心理としてはかなりな抵抗感があるであろう。

特に、無料化実験が中止になる場所の痛手は大きいだろう。

消費者が高速道路にはお金が掛かるのだということに再び慣れるまでの間は、高速道路を使用する人が大幅に減るだろう。

そうなると、無料化によって客が大幅に減った一般道に面したドライブインなどにもまた客が戻ることになる。しかし、高速道路の道東道はこの秋には夕張ー占冠間が開通して全線が繋がり便利になる。そうなると・・・。

なんだか政策に翻弄されているようだ。

高速道路の無料化社会実験はまことに罪深い政策であった。