最近のドラマでは、昨年のNHKの大河ドラマ「龍馬伝」とともに全編を見た数少ないドラマである。
「龍馬伝」も「JIN-仁」も、同姓である唯一の歴史上の偉人坂本龍馬が登場するので気になって見ている内に面白くなって全編を通して見たのである。
26日に最終回を迎えた「JIN−仁」は現代の医者が、江戸時代にタイムスリップするという、奇抜な設定のドラマであったが、なかなかに面白い内容であったし、最後がどうなるのかという興味を持たせる展開で毎回、毎回楽しみにしていた。
タイムスリップものの常であるが、論理的整合性を求めてしまうと、タイムマシンパラドックスに陥ってしまうから、そこをどう解決するのか興味があったのだ。
案の定、「パラレルワールド」と「歴史の修正力」に逃げたかというお決まりのパターンでややがっかりさせられたが、論理的整合性には疑問点が多かった最終回であった。
このドラマの主題には医者という職業の倫理観というものも含まれていたと思う。
この「JIN−仁」というドラマの最終回と同じ日に、現代の医者が、自分の生命を延命する為に、禁止されている生体間移植を違法におこなったというニュースが流れた。
暴力団に依頼して金に困っている人間で腎臓を提供してもよいという者を探し出し、その提供者と偽装の養子縁組をして手術をしたという。
日本では生体間移植は親族に限られるという法律がある為だとニュース解説者が言っていた。
その提供者は現在行方不明だというし、その提供者の前に、同じ様に養子縁組した提供者とは金銭をめぐるトラブルがあったともいう。
この医者は55歳だというから、まだ死にたくなかったのだろうが、医者が他人の臓器を違法に手に入れて、自らの生命を延命させるという行為は医者として如何なものだろうか?
医者なら、自らの寿命をまっとうすれば良いと思うのだが、この医者は煩悩だらけの金儲け主義の医者なのだろうなぁ。
どだい、医者が人命を救うこと以外の、金儲けの事業なんぞにかまけていてはいけないだろう。そもそもそんな時間があったら、治療に専念すれば良いのだ。その為に高額の医療報酬を貰っているのだから。
妻に「俺が腎臓病になって息子から移植してもらいたいと言ったらどうする?」と聞いたら「冗談じゃぁない。貴方はもう人生を充分に楽しんだでしょう、息子の人生はこれからなんだから、可愛い息子の腎臓を取るなんて絶対にさせない」と言う。それがごく普通の感覚だろうと私も納得した。
金と欲に毒された医者が多過ぎるようで残念なことである。
一方、北大では、医者が酔っ払って、患者の個人情報を紛失したというニュースも流れた。
医者が、正体不明になるまで酒に酔うなよ。自制心の無い医者というのも恐ろしいものだ。
医科大学は倫理学の単位を取れない者に医者の資格を与えてはいけない。ところで、医科大学に倫理学なんて授業が有るのだろうか?