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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-07-21-Thursday まちづくりの

まちづくりはゲームに似ている。

1年前の2010年7月5日の十勝毎日新聞「論壇」に「ゲームとまちづくり」と題して寄稿しているが、再び書きたいと思う。

私がはまっているのは、トランプゲームの「フリーセル」というゲームである。

コンピュータ・ゲームにも内臓されているから知っている方も多いと思う。ランダムに配られたカードを順番に並べ替えていくゲームだ。

少し詳しく解説すると、まず表向きに8列にカードを並べていく、するとカードは52枚あるから、7枚の列4列(左側)と6枚の列が4列(右側)出来る。

上方には4列ずつの空の枠が2つあって、左側は不要なカードを一旦収納するスペースであり、右側の枠はスペード・ハート・ダイヤ・クラブのマーク毎にAから順番に上げていくスペースである。

ルールは赤いカードと黒いカードを交互に順番良く並べること、動かせる枚数は空間分の枚数しか一度に動かせないことなどである。

まぁ、文章では分かり難いから、一度、コンピュータゲームでやってみるとよい。

このゲームはとても単純だが、似たようなカードゲームの「ソリティア」がコンピュータにはあるが、ソリティアとは違って、「運」の要素は皆無である。

最初の配列によって簡単、困難の差は出てくるが、しかし最後には必ずクリアは出来るゲームなのだ。

コツは、まず配られたカードをジックリと見て、戦略を立ててから始めることである。

イキナリ考えもせずに闇雲に初めてしまうと、途中でカードが動かせなくなって行き詰まってしまう。

以前のコンピュータゲームでは、「やり直し」機能が付いていなかったから、失敗したらまた最初からやり直すしかなかったが、新しいコンピュータでは一枚ずつカードを戻すことが出来る機能が付くようになったから、失敗したと思われる箇所まで戻ってそこからまたやり直すことが出来るようになったのだ。

この機能が付いたことで、私は「フリーセル」はまちづくりの考え方の鍛錬に使えるなと直感したのである。

このゲームは初動を間違えるとまず上手くいかない。また途中でかなり面倒な作業(カードをすこしずつあっちにやったり、こっちに戻したりする)をしなければならないこともある。しかし、クリアするには面倒がらずにキチンと順番にやっていかなければ、楽をしようとして作業をショートカットしてしまうと途中で身動きできなくなって破綻してしまうのだ。

「まちづくり」に置き換えたなら、初動をミスするケースは結構多い。

帯広のまちづくりでもかなり見受けられる。

私がこのブログにもよく書いている「共通認識」の醸成をせずにイキナリ行動を起こしてしまうケースだ。

上手くクリアするには、配られたカードを良く見て、その配列に合わせた戦略を立てなければならない。他の街でやっていることをそのまま帯広に持ってきても、カードの配列、すなわち場所も人柄も気候も違うのだから上手くいくのは偶然に頼るしかなくなる。

ミスを認めて対処する謙虚さが必要であると思うのだ。

初動段階でミスした時は、少し戻せば良いのである。根本原因を正さずにそのままつき進んでもやがては身動きがとれなくなってしまうからだ。まずは帯広に合わせた戦略が必要だし、それでも上手くいかない時は一体何がまずいのか、途中で一旦立ち止まって考えることも必要だし、時には引き返すことも必要だと考える。

そのまま強引にやっていっても最後には破綻してしまうのに、戻すことはプライドが許さないのかもしれないが・・・。