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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-07-29-Friday 会議で・・・

28日は北海道庁の会議で

札幌に日帰り出張であった。

北海道の平成20年度からの(おおよそ)10年間の計画を考える「北海道総合開発委員会」の計画部会の会議が28日に札幌のKKRホテル札幌で開催された。

私は参事を仰せつかっている。

この会議は平成20年の3年程前から開催されているもので、平成20年までは計画を考え、それ以降は、その計画が予定通り推進されているかの進捗状況を判断する会議である。

計画を作っている時と、現在とでは状況が大きく変化している。何せ、計画を推進し始めた直後の平成20年9月には、100年に一度の経済危機と言われた「リーマンショック」が起こり、今年3月11日には1000年に一度と言われる「東日本大震災」が発生した。

これだけ大きな事態の変化があったら計画の見直しという作業が必要なのだろうが、一旦作った計画を事態が変わる度に変更していたのでは、これまた計画が計画でなくなってしまうから難しい。特に硬直した官僚機構の中では、自分の会社の様に、パッパッと変更できないもどかしさがある。

しかし、ことは100年に一度であり、1000年に一度の超重大事態なのだから、もう一度立ち止まって考え直す時かもしれないと思う。

福島のいわき市在住の知人に、「十勝に移住したら?」と軽い気持ちで言ったら、かなり真剣に検討したようである。

どうやら福島県の福島第一原発の近辺に暮らしている人達の危機感は、北海道に居る私達には想像出来ないほど逼迫した状況なのかもしれない。

しかし、最終的に知人は十勝への移住は諦めたという返事が来た。曰く、「自営業ならいざ知らず、手に職の無いサラリーマンでは、十勝には雇ってくれる会社が無い」とのことだ。移住するには独立して何か商売でも始めるしかないと言う。十勝は農業だとの単純な考えから農業に就農することも考えてみたと言うが、農業への参入はそう簡単ではない。サラリーマンが農業に転身することは容易なことではないし、例え上手く農業を始められたとしても、十勝の大規模農業に参入するには巨額の資金が必要だから無理だと言う。

北海道は人口減少に苦しんでいるのだから、被災者を受け入れたら良いのではないかと単純に思ったのだが、事はそう簡単な話ではないようだ。

人口減少だから大規模化・機械化して省力化をはかると言う事なのか、大規模化・機械化するから人手がいらないという事なのか?一体どちらなのだろう。

北海道の未来は「農業」「食料加工」「観光」の3つを融合させなければならないと考えている。

もっと北海道での食に関わる職を増やして、皆が自分の生活費を自ら稼ぐ場所にしなければならない。バラマキや施しは人間を堕落させてしまいがちだ。

しかし、北海道民が単なる労働力だけであってはいけない。これまでの植民地的な、原材料の供給であってはいけないし、本州方面の大企業の工場を誘致して安い人件費で人を使うような人的供給は、結局は利益は本社の存在するところに吸収されてしまうことになるからだ。

北海道の足腰を強化するには、地元の企業が、地元に工場を作って農畜水産物を加工して販売することが重要な政策だろう。

それと食を中心にした観光を融合させるコーディネーターが必要なのだ。

これまでの風光明媚な所を見せるだけの観光は、やれインフルエンザだ、やれ口蹄疫だ、やれ震災だと、何かが起こる度に客が減少する。これでは不安定過ぎる。

北海道は、もっと視察観光に重点を置くべきだろう。

何処かの追随ではなく、先進的な試みを行って、世界中からの視察者を集めたり、その会議を開いたりすれば良いのだ。

自然エネルギーも候補のひとつだろう。

私達が1996年からやっていた「十勝環境ラボラトリー(TKL)」の思想が正にそれであった。

もう一度、TKLの活動を見直して再行動する時かもしれない。