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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-09-02-Friday カナダ旅行感想

今回のカナダの旅で感じたことは

表現が大袈裟過ぎるかもしれないが、一言で言えば日本の凋落である。

かつて、東洋系の顔をした観光客といえば日本人が多かったように思う。しかし、今回のトロントの旅ではほとんど日本人を見掛けなかったからだ。

海外の雑誌などで揶揄されていたのは「メガネをかけて首からカメラをぶら下げていて、旗を持った引率者の後をゾロゾロと団体で歩く日本人観光客」というものであった。

逆に言えば、それはそれだけ目立ったからだということが言えよう。

しかし、それは中国人や韓国人にとって代わられたように感じる。果たしてそれが良い事なのか、悪い事なのか?

それとも、既に日本人は団体旅行から卒業して、個人旅行に代わったからなのか?

個人旅行に代わったのなら、旅のスタイルが成熟したということだろうし、ただ単純に旅行客が減っているというなら国力が落ちているということだろうし・・・。

日本の若者、特に若い男性が外国に行きたがらないという話を聞いた。

内側に籠らずに、もう少し積極的に見聞を広める姿勢を持ってもらいたいと思う。

今回の旅のメインはナイアガラ瀑布の見学であった。

世界三大瀑布とはアフリカの「ヴィクトリア瀑布(ジンバブエ・ザンビア国境にまたがる)」と南米の「イグアス瀑布(ブラジル・アルゼンチン国境にまたがる)」とこの「ナイアガラ瀑布(アメリカ・カナダ国境にまたがる)」の三つを言うが、カナダ最大の都市トロント市からは自動車で90分程度しか離れていないという交通の便や宿泊施設の充実から、もっとも気軽に行ける大瀑布はこのナイアガラ瀑布が一番であろう。

このナイアガラ瀑布には、アメリカ滝(幅260m、落差32m)とカナダ滝(幅670m、落差52m)の二つがあるが、アメリカ滝は真っ直ぐなのに対して、カナダ滝の方は馬蹄型にえぐれていて規模も大きくて雄大である。

現在の滝の有る場所は、元々、滝が出来た「発祥の地」から上流に11㎞も浸食しているのだという。

この最初に滝が出来たのが氷河期末期の今から1万2千年前だそうだから1年間に1mほどずつ浸食されていたことになる。それほど凄まじい水の勢いということだ。

現在はこの浸食スピードを抑える為と水力発電の為に、上流にダムを造って、水量を調節しているが、それでも年間4㎝は浸食されているという。

ナイアガラ瀑布の見学で一番エキサイティングだったのは、何といっても遊覧船「霧の乙女号」乗船である。乗船時間は30分程度ととても短いのだが、滝のほぼ真下まで行って、滝を見上げる事が出来るのは圧巻である。

轟音と共に落ちて来る台風の豪雨の様な、水しぶきは目も開けていられないほどだが、滝の巨大な水の壁に近づいて行くと、まさに怒涛の様に叩きつけられていく大量の水の迫力は満点の素晴らしさだ。

ガイドさんいよると、なんと昔はこの滝から樽の中に入って落下する「デアデビル(命知らずな人)」という人が居たという。1901年に63歳の女性教師が挑戦して成功して以来15人が挑戦して、その内の10人が成功したという。あまりに危険なので法律で禁止されたそうだが、1995年に樽下りを強行したアメリカ人男性は成功したものの2週間投獄され罰金5千カナダドル(日本円にして約45万円)を課せられたそうだ。

確か、マジシャンの「脱出王ハリー・フーディニ(1874-1926)」も挑戦したかったが止められたのでなかっただろうか?

今回のツアーには入っていなかったが、ナイアガラの楽しみ方として「ジャーニー・ビハインド・ザ・フォール」という滝の補強工事の為に掘ったトンネルにエレベータで降りてカナダ滝を裏側から眺めるものや、滝のすぐ側を歩く「ホワイト・ウォーター・ウォーク」というのもあるし、ヘリコプターで滝の真上を遊覧するものもある。

ナイアガラの滝観光の目的でこの街を訪れる人は、年間1千5百万人もいるというから、滝の近くには立派なホテルが林立しているし、カジノもある。街は歩いてみても面白そうなゲーム場やお土産店や映画館などもあったから、この街に一泊してみても良かったと思った。

こういった経験は、テレビや映画で見るのとは根本的に異なる。まさに百聞は一見に如かずなのである。旅の良さはこういう経験が出来ることなのだ。

お金を貯めて、暇が出来てから旅行しようというのが本来の姿勢なのだろうが、年を取ってからだと身体がいうことを聞かなくなってしまう可能性がある。また、旅で得た知識や経験をその後の人生に生かす機会も少なくなる。旅は若い内にやっておく方がベターだと考える。