日本はこれまで第二次大戦後長らく「格差の少ない社会」だと言われてきた。
でも、現在はどうだろうか?
日本人の金融資産の総額は1400兆円だと言われている。これには土地や建物は含まれていないそうだから、貯金や株式などの金融資産の総額ということらしい。
しかも、この1400兆円の90%を50歳以上の人が保有しており、その内の80%が60歳以上の人が占めているのだそうだ。
現在60歳以上の人達の中には、これから年金をもらう人達も若干はいるだろうが、ほとんどの人は既に年金を受給している人達だ。
私は、これまで年金というものに全く興味も関心も無かったから、よくは判らないが、恐らく現在60歳以上の人達は、長生きすれば払った金額に相当する分は給付されるであろう。
だが、今の30歳以下、いやひょっとすると40歳以下の人達は、払った分も戻って来ない可能性があるのではなかろうか?
どうやら制度上の問題があるようだが、詳しく判らない。
あぁそれなのに、60歳以上の人達は1400兆円ものお金を持っていて、50歳以下の人達はお金を持っていないというのだから実にオカシイことになっていないか。
つまり、言葉は悪いが、早い話、若い貧乏人が金持ちの老人に年金を払っている様なものではないのだろうか?
日本はバブル経済が破綻した1990年頃からず〜っと「失われた20年」と言われているから、1990年以降に生まれた人間、つまり21歳以下は好景気というものを全く体験していないことになる。
私が、日本の経済のことを気にするようになったのは、せいぜいが大学を卒業して自分でお金を稼ぐ様になってからであるから、現在の若者達も私と同じような感じだったら、40歳以下の人間は好景気を実質上体感していないのではないだろうか?
好景気の恩恵を受けた60歳以上の人達が資産の80%を持っていて、しかも年金も貰えて・・・。
一方の40歳以下の人達は不況しか知らなくて、資産も持っていなくて、しかも今後も金持ちの年寄りの老後の面倒を見続けるなんて・・・。
こんな不平等なことがあるだろうか?
これを格差社会と言わなくて一体何と表現するのだろうか?
あまりにも世代間の格差が大き過ぎる。
どうせお金なんてものは、あの世には持って行けないのだから、もっと年寄りに生きている内にお金を使わせる算段を考えた方が良いだろう。お金は貯め込んだら世間に回らなくなって不景気になる。
お金がグルグルと世間を回っていれば、貧しくとも希望が持てる社会になる。日本は現在、とても歪な状態にある。
震災の復興財源は、広く浅く若者からも徴収するのではなく、金を持っていて使い道の無い老人からもらうべきだろう。
これ以上、若者の生活を苦しくさせたら、日本の未来は暗いぞ!