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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2011-10-18-Tuesday 凾館2

函館湯の川温泉「花びし」での宴会は続いた。

私の出番も延びに延びて宴会の最終盤での出番であった。ロープを帯広で購入して行ったのだが、函館で伸ばしてみたら何と3mなければならないのに2.3mほどしかない。何とか上手くごまかしたが冷や汗ものだった。

宴会が終了した後は卒業式である。送辞、答辞とやるのだが、そういえば13年前に自分もやったなぁと懐かしく思い出した。

40歳前の連中は若い。

私もこれくらいの年の時にはいくらでも飲んでいられたが、自分では若いつもりでも50歳を過ぎると途端に酒と夜更かしに弱くなる。

宴会は21時頃に終了した。

函館JCのメンバーが車で駅前の屋台村「大門横丁ひかりの屋台」まで送ってくれるという。

この屋台村は帯広の北の屋台をモデルして作られた屋台村で、発足当時には私も何度も講演に訪れている。

この日は土曜日の21時過ぎだったが、比較的空いていた。どの店に入ろうかさんざん迷ってグルグルと歩き回ったが、5年前にはなかった新しい店「炉ばた大謀」に入ることにした。南茅部の網元がやっている直営店である。イカ刺し、ツブ焼き、生ウニ、焼昆布、イカの一夜干し焼きなど食べた。妻が帰りは電車に乗って帰りたいというので最終電車の時間を聞いたら22時40分頃だというので15分頃に出て駅前停留所から電車で湯の川温泉まで30分掛かって到着、料金は一人240円であった。電車がある街はウラヤマシイ。レトロで風情があるし、これからの高齢者が増える街には電車は最適なツールだと思うからだ。

飲み足りないから、ホテルに着いたらお酒を売店で買おうと思ったら、既に売店は終了していた。コンビニまではホテルから徒歩で7〜8分だというので面倒くさいから、温泉に入ってビールを飲んで寝た。

ホテル内の自販機の酒の種類にビール以外のモノがあったら嬉しかったのだが・・・。

目覚ましを7時半にかけて寝たが熟睡できた。朝風呂に入って部屋に戻り朝食の時間を朝食券で調べたら7:00〜9:00までで終了30分前に入場するように書いてある。あわてて妻を急かして朝食会場に向かったが、宿泊した部屋と朝食会場までは行き方が迷路のようで難しかった。

泊った部屋は末広亭の2階、朝食会場は臥牛亭の4階、この2棟の真ん中2階は宴会場になっているので、一旦一階に降りて臥牛亭に行ってから別なエレベータで行くか、2階ならぐる〜っと回って臥牛亭に行ってから7階の温泉行きのエレベータで4階に行って、また4階でグル〜ッと回ってから行かなければならないのだ。時間がなかったから少々あせってしまった。

朝食会場には結構な宿泊客たちが居た。こんなギリギリの時間なのに・・・。観光客も3.11以来減っていると聞いていたが、ここにきて大分回復しているのだろう。

食べながら、今日のスケジュールを妻と話し合った。

朝食を食べている時には降っていた雨も、食べ終わった頃には上がって太陽が出てきた。さすが私は強力な「晴れ男」である。天気予報ははずれた。むしろ暑いくらいになってきた。

「中空土偶」が見たいというので食後にフロントで尋ねたらタクシーで30分ほども掛かるほど遠いのだと言う。

時間がないので諦めて、5年前にはまだ完成していなかった「五稜郭公園の箱館奉行所」を見に行くことにしたが、ここを見に行って良かった。

なかなか興味深い施設だ。江戸末期の奉行所を忠実に再現した建物である。1985年から発掘調査を始め、2006年から建設開始、2010年に完成したという。費用は16億5375万円掛かったのだそうだ。これだけの建物でこの費用でこれだけ観光客を呼べる建物なら、この費用なら妥当かなと感じた。だが、展示物の機械に要らぬ費用が掛かっていて業者の儲け仕事かなとも感じた。一番気になったのは、入口の入場券の自動発券機である。受付に3〜4人も居るのに何故に、自動発券機を設置する必要があるのだろうか?

わざわざ、観光客とのコミュニケーションを遮断することは無いと思うのだが・・・。自動発券機に慣れない老人や外人が戸惑っていた。

次に、朝市に向かうが、急に温度が上がったからなのか風が強くなってきた。

16日の日曜日まで朝市の凾館駅横の駐車場で「全国朝市サミット」なる催しが行われているというのでそこで時間を潰そうと考えた。

会場に11:30に着いたら、パトカーが数台停まっていて、会場が騒々しい。直前に突風が吹いてテントが飛ばされてけが人が出たからイベントは中止になったというのだ。ガッカリである。

仕方がないので朝市に行ってお土産でも買おうかということになった。

色々な店を冷やかしながら見て歩いていたら、とある店で勢いの良いおばちゃんに妻が捕まった。

妻がここで買おうと言う。生たらこ、ウニの塩漬け瓶詰、松前漬けなどを買った。妻が、妻の両親からキンキを買って来てと頼まれたという。

真空パックのものが1000〜1800円くらいで売っている。このおばちゃんが「もっと大きいのがあるけどまけるから、買って行きなよ!」と言うが、大きいのは真空パックがされていなかった。「帯広まで持ち帰るから真空パックして欲しい」と言ったら「真空パックしてあげるから」と言うので買うことにしたら・・・。

このおばちゃんがみどり色の薄紙でキンキを巻き始めたので「アレッ真空パックは?」と聞いたら「これからする」と言うのだ。見ていたらこれを包装紙で包んでビニール袋に入れて口をすぼめて、そのすぼめた口にこのおばちゃんが自分の口を付けてビニールの中の空気を吸い出したのだ。おばちゃんはドヤ顔で「ほら、空気が抜けたでしょ!」と言う。妻も私も目が点になったが、何も言えなくて苦笑するだけだった。

そこで、美味しい寿司屋を訪ねたら、この朝市の寿司屋は止めた方が良いと言う。車で5分ほどのところに美味しい回転寿司屋「凾太郎」があるとのことだが、タクシーで行くのも面倒なので、「凾館どんぶり横丁」の寿司屋で食べた。まぁ、こんなもんかなぁという寿司屋であったが・・・。

唯一すごかったのは他の客が注文した活イカの刺身をカウンター越しに見た時である。イカの足の部分を生きたまま皿に置いて、そこにゴロや刺身を切って乗せるのだが、この足が色がネオン管のようにクルクル変わって、しかももだえるように動くのである。見ようによっては残酷な食べ方だ。でも美味しそうであった。

この寿司屋のあんちゃんが「お客さん何処から来たの?」と聞くので帯広からと答えたら「朝市では買わない方が良いよ。キンキと称して別な魚を売ったりしているから・・・」と言う。タクシーの運転手も同じことを言っていた。地元の人間は朝市では絶対に買わないと言うのだ。「エッ、さっき隣でキンキを一枚買ったけど・・・」と騙されたかと不安な気持ちになった。

地元の人間にそんなことを言わせるのは如何なものだろうか?

確かに、観光客相手の商売は、一見さんでお得意さん(リピーター)にはならないだろうから安かろう悪かろうという商品を売りつけているという傾向があるという話は良く聞く話だ。しかし、タクシーの運転手や、その場所にある寿司屋の職人にまでそう言わせるとは、街全体の観光に対する考え方が間違っている。

まずは、行政なり観光協会なり、同業者なりが、なによりも朝市での粗悪な商品の販売を止めさせる努力をするべきだし、地元の人間が薦められないようなものを売っている場所を観光の名所にするべきではない。

この辺は既得権との厳しいやり取りがあるだろうが、凾館が観光で生きて行こうとするなら、避けては通れない道でもある。

今回の旅行で、地元の人間があまり知らずに、帯広の私が美味しいと思っている塩ラーメンの店があるということも判った。味覚は主観的なものだが、観光案内書に載らないような(載せられないような)お店を地元の人間が発掘する必要があるだろうことを感じた。

久し振りの凾館で妻は殊の外上機嫌であった。