不思議というテーマで本を収集していることは何度もこのブログに書いているが、この12月から2月初旬にかけては、当たり月と言うのか何と言うのか急激に蔵書が増えてしまったのである。
冬の間はゴルフが出来ないから暇を持て余しているということも原因のひとつであろう。ネットオークションを開いて見たり、ネットの古書店の組織網である「日本の古本屋」や「スーパー源氏」や「アマゾン」などを頻繁に検索しているから、探していた本がかなり見つかった。
それと、ネット上で取引をさせてもらった方との個人的な繋がりが構築出来たことや、新しく見つかった古書籍に出ている著者の方などの連絡先に思い切って直接手紙を差し上げたら返事が来て著作を頂いたりしたことが重なったためである。
だから、最近の私は、嬉しくて、嬉しくて、いつもニコニコしているのだ。
そんな中、先週、大学生時代から20数年間も探し求めていて、見つけられなかった本、力書房の「すぐ役立つ奇術 精神感応術(寺川雅元著)昭和42(1967)年発行800円A5版39P」がネットオークションに出品されたのを見つけた。
同じ様なライバルが居たのだろう、かなりな金額まで競り合ったが、最後には私がなんとか落札することが出来た(いくらで落札したのかは妻が恐ろしいからとても口にはできないが・・・)。
ここで逃したりしてしまったらまた20数年間も手にすることが出来ないかと思ったら、何がなんでも競り落としてやるというのがコレクター心理なのだ。なにせ、妻と交際する前から探し求めていた本なのだから・・・。
出品された方もマジシャンの方で、段々と高齢になってきたから後輩の為に蔵書を出品し始めているとのこと。何度かメールで親しくやりとりをさせていただいた。
そして昨日届いた本を見て驚いた。45年も前の本なのに、まるで昨日出来あがった本の様に美しい状態だったのである。感激したのはいうまでもない。早速お礼のメールを送ったら、サービスで力書房の本を一冊プレゼントしましょうと言ってくれた。なんという幸運なのでしょう!
これで力書房関係の本もほぼ集まった。後は「トップマジックの32〜46号」・「ホーカスポーカスの⑩スポンジボール」といったところである。JCC(ジャパン カジュラーズ クラブ)というところが発行した「パス」という薄いA5版の冊子でスペードのA(エース)〜KとハートのA〜Kの24冊も探している。どなたかお持ちの方で不要になった方は譲って下さい。
ところで、この力書房の本の収集には随分とてこずった。北海道の片田舎でマジックを本で覚えようなんていう仲間が皆無の場所だから、マジック本の情報が極端に少ないのだ。ようやく最近になってから、コンピュータのネットのおかげで、コレクターの仲間が出来て情報をやり取りすることが出来るようになった。
なにせ、力書房には何冊もの幻の本があるからだ。
力書房の本は、本の裏に、既刊本の広告や近刊本の紹介が載っているのだが、どうも発行されていない本を既刊本として掲載しているようなのである。
例えば「あなたは奇術師(高木重朗著)昭和31(1956)年発行)」という本には「あぶらかたぶらシリーズ」全16冊の本の紹介が掲載され①ハンケチの奇術(高木重朗著)300頁、②ロープの奇術(フィッキー著高木重朗訳)150頁、③シガレットの奇術200頁、と既刊本のように頁数まで載っているのだ。④以下⑭までは本の名称と著者名も載っているが頁数は載っていない。別冊の2冊も本の名称は載っている。
この本は私が生まれる前の発行だし、この広告が掲載されてから既に56年も経っているのだから、誰が考えても、全部発売されているとしか思えないだろう。
私も大学生の頃からズ〜ッと探しているのだが②の「ロープ奇術」しか入手していないのだ。普通は②があるなら当然①が存在するはずだろうに・・・。
ネットのコレクター仲間から②しか存在していない旨を教えられたのは去年の今頃であった。
また「現代カード奇術1(ルイス・ギャンソン高木重朗訳)昭和38(1961)年第3版」の裏の広告には「カードファン入門(高木重朗訳)A5・26頁300円」が載っているのだが、これもいつまで経っても見つからない。昨日、ネット仲間に尋ねたら「実在しないと思う」との返事である。
つまり、私はズ〜ッと幻の本を探し続けていたという訳だ。どうりで見つからない訳である。とんだ無駄骨であった。
これらも含めてコレクションというのは面白いものである。