11日(土)昼に観て来た。正式には「聯合艦隊司令長官 山本五十六」という題名で11日が全国公開である。山本五十六を演じる主演は役所広司だ。
これまでの戦争映画とは違って、戦闘場面は極端に少なく、アメリカとの開戦に反対しながら、時代の趨勢によって戦争をしなければならなくなってしまった軍人の生き方を描いているヒューマンドラマである。
随分と山本五十六を高く評価し(過ぎ)ている映画で、悪役は、世論を誤まった方向に誘導した新聞社であり、戦況を見誤まった軍の官僚であり、指揮官ある。
この映画を作ったスタッフは、明確な国の指針や目的も持たずに、国を動かす軍人や政治家たちに、現在の日本の状況を憂えて、重ね合わせているのだろう。
私は全国各地で「まちづくり」の講演活動をしているが、必ず使うフレーズに「目的を共有していない組織は必ず空中分解する」があるが、この当時の日本は、政府も軍も何の為に戦争をするのかのという意識がまるでなかったのだろう。
個人としては戦争には反対でも、軍人としては上からの命令に従わざるを得なかった苦悩は理解できる。私のように辞めて解決する問題でもないから・・・。
冷静に考えれば、国力に圧倒的な差があるアメリカと戦争して勝てるなんて考える方がオカシイと思うのだが、当時の情報が少ない状況では、国民は大本営発表や新聞に誘導されるのは致し方がなかったのかもしれない。
しかし、翻って現在のこの情報過多の日本の状況でも、自分の意思を明確に持っている人間がいったいどれだけいるのかは甚だ疑問である。
新聞に限らず、テレビなどのマスコミ媒体は、どうもいまいち信用が置けない。先の原発事故時の政府の発表は、誰も信用していないからだ。
それにしても、最近の映画は、同じ役者ばかりが出ているなぁ〜。
この映画も、役所広司・阿部寛・香川照之など同じ顔ぶればかりだ。
阿部寛が演じた司令官は、どこぞの国の豪華客船の船長さんと違って、船と共に海に沈んだが・・・。
エンドロールと共に流れる小椋佳の「眦」という歌はとても良かったが、この「眦」という字が読めなかったので帰ってすぐに調べたら「まなじり」と読むのだそうだ。
映画館は高齢者が多くて驚いた。この映画館は、夫婦50歳割引き料金以外にも60歳以上割引料金制度もあって、60歳以上は一人でも1000円なのだ。だが、それにしても高齢者のマナーは最悪だなぁ〜。私の隣に座ったおじいさんは昼間だというのに酒の臭いがプンプンだし、股を隣の私の前にまでおっぴろげて座るし肘も私の方にはみ出している、斜め後ろのオヤジは携帯電話で話しをするし、左の前のオバサンは始まってすぐにイビキをかいて寝始めた。途中でトイレに立つ人が数人いたのは、生理現象だから、オシッコが近いのはやむを得ないとしてもだ・・・。
老人たちよ!もう少し公衆マナーを守らないと若者達に苦言なんて呈せないぞ!