(財)北海道建設技術センター主催、北海道庁が共催で開催され、シンポジストとして出席してきた。
基調講演及びアドバイザーとして北海道大学の小林英嗣名誉教授、シンポジストとして、私と其田勝則砂川商工会議所副会頭、成田長英ナックプランニング社長、コーディネーターは松村博文北方建築総合研究所主査が務めた。
例年、2月3月の年度末が近くなると、予算消化の為なのか、講演依頼やシンポジュウムへの参加要請が増える傾向にある。
さすがに去年は3月11日以降は、予定がキャンセルされ例年よりも少なかったが、今年は既に元に戻っているような感じがする。
小林英嗣さんとはもう11年の付き合いになるし、ナックプランニングは北の屋台をやった当時の帯広市のTMO(タウン マネージメント オーガナイゼーション)を担当したコンサルタント会社で何度かTMOの会議で一緒になったことがあるからこれまた11年前からである。
小林先生の講演は「今時、まだまちなか活性化なの?」から始まったとても興味深く勉強になった内容であった。
私の持論とも重なる所が多々あって共鳴したのだ。曰く「まちづくりには三つの悪霊が居る。①便利、安全、効率の追求、②時代の最先端が正・善であるという思い込み、③科学的な定量化、モデル化をすれば良いと考えていることの三つである」と、また「行政は、さも一般市民の声を聞きましたよと云うアリバイ作りの為に、やたらと○○委員会という様な組織を作りたがるが、その委員になる市民の側にも、責任感がまったく感じられない。まちづくりに責任を持って真剣に取り組む覚悟を持った市民が委員にならなければならない。」などは正にその通りである。委員になっても意見を言わない人、まちづくりの勉強もしていない人が多過ぎる。
「貴方が(他の地域から来た)他人に自分の住む町を紹介する時に見せたいと思う場所はどこですか?」というのは、私がいつも講演で言って
いる「自慢できる街、誇りにできる街」に通じるものを感じた。
民間でおこなう「まちづくり」のネックは、自前の事務所を持てない、専属の事務局員を雇えないことだと成田さんが発言されていたが、まさにこれもその通り。
私は以前に何度もこのブログにも書いているが「十勝環境ラボラトリー(TKL)」とそこから派生した「北の屋台」で生み出される利益で、諸団体の共用の事務所を作り、共用の事務局員を雇って、一ヶ所に集まることで交流が生まれ、その内に組織の合従連衡がおこって、新しい活動をする組織が出来たり、新しい人材の育成にあてられたらと考えていたのだ。
帯広はほとんどの団体が後継者が育たず、その活動が10年程度で終了してしまうというオカシナ特性があるからだ。TKLも北の屋台の利益をそういう事に使わないからちょうど10年間(1996-2006)で終了してしまった。
当初、TKLのメンバーだって私以外は誰一人として「北の屋台」の成功は考えていなかったはずなのに、北の屋台が思わぬ成功をしてしまったが為に、その成功だけで満足して、次のステップに行くことを止めてしまい、北の屋台で得た利益は専務の生活費(3人分の給与に相当するような高額)をにすることにしてしまったのが現在の北の屋台なのである。彼等にとっては北の屋台だけで満足なのだ。
せっかくの全国的なまちづくりの模範になるものを、自らの手でその成長を止めてしまったというわけだ。返す返すもモッタイナイ話である。
今回のシンポジュウムに参加してまた強くそのことを感じた。