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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2012-04-11-Wednesday マジックの本

最近、マジック関係の書籍で

脳とマジックに関する本が多数出版されている。

数冊例を挙げてみると①「脳はすすんでだまされたがる(マジックが解き明かす錯覚の不思議)S・L・マクニック他共著、鍛原多恵子訳、角川書店2012.03.31発行、2100円」

②「マジックにだまされるのはなぜか(認知機能のタネ明かし)熊田孝恒著、化学同人2012.01.31発行」

③超常現象の科学(なぜ人は幽霊が見えるのか)R・ワイズマン著、文藝春秋2012.02.10発行」などである。

いずれもマジシャンか若しくはマジックに興味のある学者らが、マジック(超常現象)と脳との関係性を研究した本で、いわゆるマジックのタネ明かし本ではないが、これまでにない研究分野の本なので興味が湧いてくる。

②と③は既に読んだので、今回は①の「脳はすすんでだまされたがる」を購入して6日の札幌往復の列車の中で読んだ。

人間の脳みそや目と云ったものは極めて不確かなもので、記憶も自らでっち上げた錯覚に過ぎないと看破している。

マジックに関してもなかなかに面白い内容であったが、気になったのは「訳」である。

訳者の女性はあまりマジックには詳しくはなさそうだ。「近代マジックの父」と云われるフランスのマジシャン、ジャン・ウジューヌ・ロベール・ウーダン(1805-1871)(Jean Eugene Robert Houdin)のことをロベール・フーディンと表記しているのである。確かにアメリカのマジシャン、ハリー・フーディニ(1874-1926)(Harry・Houdini)はウーダンの名前から芸名を付けているが、アメリカ式の発音で表記するなら「ロバート・フーディン」であろう。ロベールはそのままでウーダンをフーディンと表記するのはヘンだ。

大学で第二外国語のフランス語の初歩ばかりを何故だか4年間もやっていた私には、フランス語でHの後に母音が来る時にHは発音しないという、いわゆる無音のアッシュぐらいは知っている。

日本で出版するならウーダンと表記してほしかった。その方が日本のマジシャンの間では通用しているからだ。「マイザーズドリーム」というコインが空のバケツにドンドンと入っていくマジックもそのままカタカナ表記の方が日本では通用している、それをわざわざ「欲張りの夢」と表記しているのにも違和感を覚えた。訳者にはマジックにも造詣が深い金原端人さんあたりに依頼した方がもっと面白い読み物になったように感じる。ちょっとモッタイナイかったなぁと思った。