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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2012-04-23-Monday スウェーデン8

シンクロナイズド・スケーティング世界選手権大会も

14日(土)が最終日で、2種目目のフリー・スケーティング(FS)(演技時間4分30秒±10秒)は15:00から始まる。日本の滑走順はくじ引きで6番滑走ということになった。日本チームの前の、①番滑走のハンガリーは58.38(FS18位)、②ベルギー 41.48(21位)、③クロアチア 55.22(19位)、④ラトビア 48.14(20位)、⑤スイス 69.57(15位)と云う成績である。いよいよ日本チームの登場だ。ここで高得点を挙げておきたいところである。スローな曲で滑り自体は悪くはないが、上位のチームと比べるとスピードが足りないし、選手同士の間隔が広い。もっと早く滑って、選手間の間隔も詰めなければ高得点にはならない。日本は選手の転倒もあって−1点の減点があり94.39点であったが、100点超えをしておきたかったところであるが、この時点では総合第一位である。これから強豪チームが出てくるから順位が段々と後退していくことになる。

続く⑦番滑走はフランス 81.45(14位)、⑧チェコ 63.48(17位)、⑨オーストラリア 66.06(16位)、ここまでは日本がまだトップを維持していたが、続く⑩ドイツ 109.01(9位)が日本を抜いてトップに立った。さて⑪番滑走は今大会の当面のライバルであるイタリアである。イタリアは転倒などの大きなミスがなくて得点は92.79点、日本がFSでは1.6ポイント上回ったが総合得点では、前日のSPの差の3.01点が効いて1.41点及ばず総合順位ではイタリアを抜くことが出来なかった。

この後の⑫番滑走からはレベルがグ〜ンと上がる。⑫USA2 103.42(11位)、⑬ロシア2 104.98(10位)、⑭スウェーデン2 115.79(8位)、⑮番滑走のフィンランド2は昨年のヘルシンキでの世界選手権大会の優勝チームの「ロケッツ」である。昨年の優勝チームがフィンランド2と云うことはフィンランドの国内大会で、昨年の世界選手権大会の準優勝チーム「マリーゴールド・アイスユニティ」に負けたということなのだろう。フィンランドの2強チームは素晴らしいライバル関係にあって常に切磋琢磨している。さすがにノーミス、鳥肌が立つほど素晴らしい演技で、得点は 131.73点でフリーの第1位になったが前日のSPでの6位と云う出遅れを挽回する事は出来ず総合でも第4位で残念ながらメダルの獲得はならずという結果になった。

⑯番滑走のフィンランド1は昨年の世界選手権準優勝チーム「マリーゴールド・アイスユニティ」である。フリー・スケーティングの得点は119.30点でFSは第6位、総合でも第6位という結果に終わった。⑰カナダ2 118.99(7位)、⑱番滑走はスウェーデン1の「チーム・サプライズ」である。2009年の世界選手権大会で銅メダルを取って以来2000年2001年とメダルを取っていないから、今年は地元開催と云うこともあって雪辱に燃えている。チーム・サプライズはその名前の通り、アンドレアコーチがいつも観客を驚かせ、そして楽しませてくれる。まさにエンターティンメントの極致であると言えるだろう。 まずは選手の衣裳の色が皆バラバラで驚かせてくれた。他のチームは全員同じ衣裳を着ているからだ。同じコスチュームでなければならないという規定はないそうだからコロンブスの卵である。

人を持ち上げるリフトと云う技も他のチームとは一味違った手法を使っている。あらゆる部分に驚きを配置しており、見ていてとても楽しくなる演出であるが得点は130.24でFSでは第3位であるが、前日のSPと合わせての総合得点では194.87点となりトップに立った。

残りは3チームである。⑲番滑走はカナダ1 129.88(4位)、⑳USA1 130.64(2位)、

最後は前日のSPでトップに立っているロシア1である。ロシア1が優勝するには「129.81」点を取れば良い。途中までの演技は良かったのだが後半で選手が一人転倒してしまい、更にその選手が上手く戻ることが出来なくて−2点の減点となりFSの得点は127.18点(5位)となってしまった。

総合成績は、大逆転でスウェーデン1が194.87点で優勝、準優勝はカナダ1で193.64点、第3位はUSA1で192.78点、第4位はフィンランド2で192.75点、第5位がロシア1で192.25点、優勝と第5位までの差が2.62点と云う稀に見る大接戦、ハラハラドキドキさせる展開で見ていてとても楽しい大会であった。

上位の5チームの演技は突出していたし、ベスト10までのチームの演技もとても素晴らしかった。世界のレベルは年々向上しており、日本は昨年3.11の東日本大震災でリンクの天井が落下すると云うアクシデントに見舞われた中でヘルシンキの世界選手権大会に臨んだが、極端な練習不足と云うこともあって、一昨年のコロラドスプリングスでの総合10位(SP10位・FS9位)から12位へと順位を下げてしまった。

今大会は昨年9月頃にコーチが代わり、選手数名の入れ代わりと云う事態もあって新生チームでのトライであったが、そう云う事情を差し引いても上位5ヶ国との差が大きく開いてしまったと感じた。チームとしてのストックがなく、毎年16名のメンバー集めから始めなければならないハンディを克服しなければBクラスからの脱出は難しいだろう。北欧と比べると選手の数が圧倒的に少ないからだ。日本はフィギュア・スケートのシングルでは選手層が厚いのだから、今後はもっとシンクロナイズド・スケーティングの面白さをアピールして選手の数を増やさなければならないだろう。(つづく)