先週、東京に出張した際に、マジックの師匠である故ジミー忍師の奥様、マコママの経営しているスナック「魔法の小箱」を訪ねた。
マコママは7月一杯で店を閉めると云う。
店に飾ってあるものや先生の道具、果ては手帳や手紙類迄などを「私には全部不要だから、坂モッちゃんのところに全〜部送るので、マジック博物館に展示して欲しい」と言う。
「手紙や手帳や公演先を地図に落としたものなど、坂モッちゃんにとってもゴミにしかならない様なものもあるけど、一応、捨てるのは今回、坂モッちゃんに見てもらってからと思って・・・」と取って置いてくれたのだ。
「勿論、貴重な資料だから、手紙や手帳なんかも欲しいし、ゴミかどうかは僕が判断するから、とりあえず全部送って」と言っては来たのだが・・・。
店には、世界のマジシャンの写真額、トランプ等のマジック関係のモノが描かれている絵画、ジミー師と奥様の肖像画を西陣織で織った額、ジミー師が生前にジョン・ローン、ジャッキー・チェン、石原裕次郎、勝新太郎など各界のスターと一緒に写した写真の額など等、壁一面を飾っていた額が送られて来た。
すぐに、マコママに電話して「店を閉めるのは7月末でしょう? こんなに早くに全部送って来たら、店が殺風景で商売にならないんじゃぁないですか?」と言ったら「良いの!送るとなったら、もうスッパリと全部送ってしまいたいの!」と言うのだ。
女性と云うのは、スッパリと捨て去ることが出来るものなのだなぁ〜と感心した。男ならいつまでも捨てられずにいるだろうと思う。特に私は捨てられない。
これから造ろうと考えている「マジック博物館」も私が死んだら、妻はスッパリと捨ててしまうのだろうか?とても怖くて妻には聞けない。そこだけが心配である