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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2012-07-19-Thursday 進歩がない

先日、ある人から

北の屋台でK専務理事が「北の屋台は味や値段で勝負している訳ではない。屋台店主の気合で勝負しているから、未だに客足も売り上げも減らないんだ!」と豪語していたと聞かされた。

あくまでも伝聞であるから、直接に私が聞いた訳ではないが・・・。

これは、北の屋台のコンセプトの一つであり、博多の屋台の組合長にインタヴューした時に聞いた「屋台は、一に大将、二にメニュー、三四が無くて、五に値段」と云う言葉と同じ意味に使っているのだろうと思われる。

「一に大将」とは屋台の流行りは店主のキャラクターに左右されると云う意味であり、「二にメニュー」とはすなわち味のことである。屋台というのは味よりも店主のキャラクターによって流行ったり、流行らなかったりすると云うのは北の屋台でも既に実証されていることだ。

しかし、食べ物屋である以上はある程度のレベルの味のモノを提供していなければやはりダメだよという戒めでもある。

「五に値段」とは屋台は安いと思われがちだが、実は全国チェーンの居酒屋などよりは酒の値段等は高い。客数も少ないから少量販売でしかないので大型チェーン店のようなスケールメリットというものが存在しないからだ。だから値段は少々高目になってしまうということを意味している。それともうひとつは、それでも屋台は値段が安いと云うイメージを壊してはいけないという戒めもある。博多の屋台にはボッタクリみたいな値段を請求する屋台も存在していた。だから極力、頑張って安く提供することがイメージを損なわずに客を引き付ける要素のひとつでもあるのだ。

ところが、最近の北の屋台は何を勘違いしているのか、屋台は値段が高くても店主のキャラクターが客に受け入れられれば値段を高く設定しても許されると思っている店主が増えているようなのである。

屋台で超の付くような高級ワインや日本酒を提供したりしていると聞くからだ。

確かに、10人で満席になる屋台で売上を確保するには客単価が高い方が効率は良いのは当たり前のことだが、しかし、屋台で高級品を出して客単価を上げるのは如何な手法だろうか?効率化や高価格は屋台では御法度である。

恐らく、こんな商売の仕方を素人が覚えてしまったら、北の屋台を卒業して自分で商売を立ち上げようなどとは考えなくなってしまうだろう。

料理の腕を磨く努力をせずに、そこそこの味のモノしか出せない腕で、店主のキャラクターと北の屋台の集客力に頼った商売が、独立しても続けられる訳などないからだ。

K専務が胸を張って威張っている「店主の気合で売り上げが伸びている」というのは、明らかに組合の指導方針の誤まりであると思う。

むしろ、スムーズに卒業してもらう為には、料理の腕を上げる指導や、宣伝方法や立地の選び方などを指導しなければならないと考える。

もう、北の屋台も4期目なのであるから、十年一日のごとき指導にはまったく進歩が感じられない。

組合ももっと指導法も勉強する必要があるであろう。

それが高給を取っている者の義務でもあるだろう。