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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2012-08-20-Monday 勝毎「論壇」

2012.08.20十勝毎日新聞「論壇」掲載記事

「準備着々 マジック博物館」

マジックを趣味にしてかれこれ43年。以前に書いたが、マジックの師である故ジミー忍(1995年53歳で没)の「マジック博物館を作って欲しい」との遺言で2007年にまずは「図書館」を作り現在の蔵書数は9000冊に及んでいる。

書籍以外の映像物のコレクションも充実し日本有数の資料館になったので、研究好きなマジック愛好家が全国から訪ねて来るようになった。

今年6月に上京した折、師の夫人が経営するスナック「魔法の小箱」を訪れたところ、「年を取って体がシンドクなったから、7月いっぱいで店を閉める。店にあったマジック関係の絵画、写真などの額、衣装、集めた小物も全〜部、坂もっチャンに送るからマジック博物館ヨロシク頼むデェ〜」とのことで、貴重な品が段ボール箱で毎日届いている状況だ。

さらに、昨年お亡くなりになった地元の奇術愛好家の植田広志さん(享年82)の子息と私は高校の同期生。今年春の同窓会で一緒になり、父親のマジック道具の処分に困っているという話から、愛用の奇術道具数百点が7月末に私のコレクションに加わった。植田さん宅にはマジック専用の部屋があって壁一面に道具が並んでおり、通称イモカゴといわれるプラスチックのコンテナに45個と、それに入り切らない大きさのものが十数個で運搬には丸一日がかかった。

現在、日本には私の知る限り「マジック博物館」は存在していない。開館するには充分の量の道具や資料はここ数ヶ月で急激にそろった。これはきっと私に与えられた使命なのであろう。あとは、調査、整理して展示場を造ればよいのだが、道具の整理だけで優に1年以上はかかるであろう。

しかし、私にとってはうれしくて楽しい作業である。コツコツと続けて2年後くらいには日本唯一のマジック博物館を帯広にオープンさせるつもりである。乞うご期待!

だが、心配事がひとつある。私が死んだら「マジック博物館」がどうなってしまうのかが気掛かりなのだ。私には宝の山であるのだが、マジックに興味がない妻や子供たちにとっては、仕掛けがあるヘンテコリンな箱や日常では使い物にならないガラクタでしかないからだ。日本のマジック界では、処分に困った遺族が捨ててしまって、貴重な資料などが失われているのが現状なのである。

せっかくの日本有数のマジックコレクションを私が死んだ後も伝えていきたいので、博物館を造るだけではなく、維持していくことにも知恵を使わなければならないだろう。