「北の大地de大道芸フェスティバル」の反省会を開催した。
出席者は5名である。
冒頭、プロデューサー役のKさんが「今年の大道芸フェスティバルの対応は最低であった。もう平原まつりでは大道芸はやれない。」と激怒した様子で語ったところから始まった。
何が酷かったと云って、まず第一には平原まつりの広い会場(100m×20m程の道路が5街区分に広小路の50m×15m程の街区が4つという広さ)に大道芸が演じられる場所が無いと云うことだ。
これだけ広い会場なのに、大道芸が演じられる場所がないって、どういうことなのかと思うだろう。
が、大道芸というのは、観客とコミュニケーションを取りながら展開していく芸能なのである。
BGMや効果音に合わせた芸も多いし、観客と会話しながら行う芸もある。一番つらい状況なのは近隣で大音響の音がすると、そのコミュニケーションが台無しになってしまうことだ。
今年の平原まつりは、音楽関係の出し物が特に多かった。ブラスバンド・ジャズバンド・ロックバンド・和太鼓、民謡、三味線などがほとんどの街区で演じられていたのだ。その他にもダンスや日本舞踊などの演目も多い。それらが、ここぞとばかりに大音響で演奏や演技を始めたら大道芸はひとたまりもない。
平原まつりの全体のスケジュールを組む際に、それらの配置を適切にしなければ音と音がぶつかってしまって、音楽関係の出し物同士でさえ共存が不可能な状況になってしまうほどだった。
また、フライング気味の出し物も多かった。例えば14:00〜始まるプログラムの催し物が13:45分頃からリハーサルで音出しを始める。大道芸では14:00の終了に向けてクライマックスに持っていこうとしているのに・・・。
音を出すのは時間内の14:00からにしてもらわなければ大道芸はますます時間が短くなって演技ができなくなってしまう。
出し物同士が譲り合って、かつ、与えられた時間を厳守する姿勢が必要であろうと思う。
この辺の全体のプログラムの組み方に問題が多かったように思う。大道芸側の事務局を勝毎事業部が担当しているのだが、その全体スケジュールへの大道芸の配置申請が遅れたのが一番の原因だったようだ。
他の演目が全て決まってから、空いている場所に大道芸をはめ込むような感じになったようなのである。
当初に予定していた郵便局前の「大道芸スクェア」と云う大道芸専門のスペースも警察の許可が下りなかったということで直前の8月10日の会議でで知らされたのだ。もっと早い段階の警察の許可が下りないと判った時点で私に知らされていればまだ何等かの対応が可能だったかもしれないが・・・。
しかも、肝心の金丸プロデューサーには直前の13日にようやく伝わったのだと云う。彼女が怒るのも無理はない。「大道芸スクェア」では1日に6コマ、3日間で18コマの大道芸を展開する予定であったのだ。そこが使える前提でプログラムを組んでいるのに、直前に使えなくなったと言われても18コマ分の場所の確保が出来ないからだ。せめて10日の時点で彼女にそのことが伝わってさえいれば、プログラムの変更は可能であったろうし、バタバタとスケジュールが変更されることもなかったであろう。
おまけに13日は勝毎の花火大会が雨の為に1日順延になってしまった。
14日の初日には勝毎の事業部員は全員が花火大会にかかっているから平原まつりには不在である。
状況も把握出来ていない人間だけが平原まつり会場に残ることになったのだ。
平原まつりでの大道芸を演じる場所が確保出来ていないまま、まつりは始まった。そこに更に追い打ちがかかってしまった。
大道芸スクェア以外に大道芸を集中して演じるはずであった7丁目にはバスケットコートが造られて、大音響の音楽をかけながらバスケットの試合をしている。少し北側にズレて音量を下げて欲しいとお願いしたが「我々は7丁目から依頼されてバスケットを展開しているのだからその必要はない」という返事である。14日の7丁目での最初の演目は中国雑技の7段以上の椅子を積み上げてそこで逆立ちをするバランス芸である。いわば命がけの演目であるから、その場所にバスケットのボールが飛んできて当たったりでもしたら大変な事態になるから、結局7丁目で大道芸をやることは断念せざるをえなかった。
もうひとつの重点演技場所である11丁目は、11丁目にある多目的スペースで3日間とも音楽祭を開催するというスケジュールである。こちらも大きな音でバンド演奏がされてしまうので大道芸が出来るスペースではない。
どこか適当な場所はないものかと探して8丁目でようやく出来ることになったが、スケジュール表はこの時点でメチャクチャになっている。変更に次ぐ変更で、印刷物は間に合わないし、会場のアナウンスも混乱を極めてしまい観客からは「大道芸のスケジュールは何処で聞けば良いんだ」とお叱りを受けてしまった。
これは余所の街の大道芸フェスティバルではありえない事態である。プロデューサーが激怒するのは当たり前のことだろう。
去年は3日間とも雨に祟られたが為に、スケジュールが変更になったという言い訳ができて、天候の所為だから仕方がないかということになったが、今年はそうはいかない。
このままでは帯広から大道芸が消えてしまうことになってしまうだろう。