「昨日よりも明日が良くなる」と云う希望に満ちていた時代だった。
それがバブルがはじけた20年程前からは逆に「明日はどうなるか不安だ」と云う時代になっている。
これは日本だけでなく世界中で起きている傾向がある。ヨーロッパもEUがギリシャ・スペイン・イタリアなどの調子がよろしくないことから、かなり好調だったドイツの足を引っ張っているようだし、アメリカなども景気がさっぱり回復しない。
評論家の中には、昭和初期に起こった「世界大恐慌」前の雰囲気に非常に良く似ていると指摘する人もいる。
たしかに世界的にクラ〜イ閉塞感が漂っている。
もはや、世界中は物質で溢れ返っている。テレビや携帯電話や自動車、そしてマイコンすら先進国の国民ならほとんどの人が所有しているから、新しく買い替えようなんていう需要はかなり減っている。画期的な商品を出したところで、大ヒットにつながるモノは少ないだろう。かつてのような経済的発展なんて望むべくもない。
もはや、昭和30〜40年代の新しいモノに飢えているような所有欲は期待できないからだ。
これからは、ワーキングシェアをして、大勢の人が仕事を分け合い、賃金を自分で稼いで生活する時代にしなければならないだろう。アメリカのような10%の人間が富を持ち、残りの90%が貧しいと云う社会は歪過ぎる。
それに、日本人のメンタリティには生活補助という制度は合わないように思うからだ。自分の食い扶持は自分で稼ぐという誇りを奪ってはいけないし、ソ連の共産主義が崩れたのも働かなくても食えると云う制度が怠け者を創り出しからではないだろうか。適度な競争と適度な共済制度のバランスをうまく取ることが政治の役割だと考える。このバランスが崩れると・・・。
格差の無い共産主義はソ連も中国も作れなかった。いまや中国は世界一の格差社会でありながら、共産党一党独裁と云う、ブラックジョークの国になっている。
アメリカの新聞社が「日本は右傾化している」と指摘していると云うニュースが流れたが、旧社会党の流れもひいているはずの民主党の野田政権において、韓国や中国との関係が悪化しているのは皮肉な結果である。
そこに、先日の自民党の総裁選挙で、自民党の中でも右派と云われている安倍晋三が新総裁に選出された。総選挙が(近い内に)行われれば民主党が惨敗することは確かであろうから、自民党の安倍新総裁が総理大臣になる可能性が高いだろう。てっことは、対中、対韓強硬路線を行なって、益々、中国屋韓国との関係悪化を招きかねない。
まさか、尖閣や竹島問題が戦争にはならないとは思うのだが、幼い精神の政治家が意地を張り合ったら・・・。