違和感をおぼえたので、よくよく改めてじっくりと見てみた。
何かがどこか違う。1枚だけ他の札と何かが違うのだ。
2枚を並べてみたら左下隅に付いているはずの銀色に輝くホログラムが付いていない。
アッ、これはひょっとすると日本銀行がお札を摺る際に、ホログラムを付け忘れた俗に云うミスプリント札かもしれないと思った。
もっとじっくり眺めて較べてみると、ホログラムが付いていないだけではなくて、左側の「壱万円」の文字が左隅に寄っているしその左側のデザインも異なる。
スワッ、今度はミスプリントじゃぁなくて「偽札」かと思った。
ミスプリント札ならプレミアムが付いて高くなるが、偽札なら大損である。
ホログラムがいつ頃から付けられたか知らないか?と周りの人間に聞いても記憶にないと言う。福沢諭吉の壱万円札は最初からホログラムが付いていたのではないかと言う人もいる。
銀行に聞きに行くのも恥ずかしいからPCで検索してみたら、写真付きで解説されていた。
福沢諭吉の1万円札は1984(昭和59)年6月25日から発行されており、その時にはホログラムは付いていない。2004(平成16)年8月13日から発行された1万円札からホログラムが付けられているそうな。
五千円札は1984年11月1日から新渡戸稲造で2004年11月1日から樋口一葉に替っているし、一千円札の人物も同じ日付で夏目漱石から野口英世に替ったから、1万円札も一緒に替ったのかと思っていたらそうではなかった。思い違いであった。
古いホログラムが付いていない札は、日銀が回収して新しいお札に順次切り替えているから最近はこのホログラムが付いていない札をとんと見かけなくなっている。だから新札の中に1枚だけ旧札が混じっていたのでなんとなく違和感をおぼえたのだろう。
偽札でなくて良かったが、とんだ偽札騒動であった。思い込みは恐い!