大晦日を控えた12月末に77歳で亡くなった。
その一周忌が12月8日に留萌でおこなわれるが、姉である母がどうしても出席したいと云う。まさか、足の悪い母を一人でやる訳にはいくまい。付き添わなければならないのは長男としての役割だと思って一緒に行くことにした。
去年のお葬式の時に、母と私と妹の3人で留萌に行ったが、大変な苦労をしたのだった。冬の大嵐で列車も都市間バスもストップし、留萌からの帰りはタクシーで札幌まで行ってようやく帯広に戻ってきたのであった。
今回の一周忌も天気予報では大嵐の予報である。帯広も昨日は24㎝もの降雪があったばかりであるから、交通機関がかなりマヒしている状況だ。
雪が降る前なら、自動車を運転して連れて行くことも出来る。その場合は片道240㎞だから4時間もあれば十分に到着できるのだが、冬の留萌は吹雪くので自動車で行くのは止めにした。
去年と同じ帯広ー札幌間はJRで行き、札幌ー留萌間は都市間高速バスでの移動という手段にした。このケースだと片道7時間以上も掛かるのでおよそ半日がつぶれることになるが自動車で行くのはそれ以上に大変なのである。
午前10:03帯広駅発のJRで出発、札幌には雪の為に20分以上も遅れて到着した。JRからバスへの乗り換えにも母の足では時間が掛かる。冬の移動はダイヤ通りにはいかないからゆったり目にスケジュールを組む必要があるのだ。札幌を13:50発の都市間バスに乗ったが、吹雪で高速道路が閉鎖されている。留萌には予定を13分遅れて17:11分には到着出来た。
バス停には次妹の叔母夫婦が迎えに来てくれた。叔母夫婦の家はバス停から30m程の距離しかないが、吹き溜まりと強風でなかなか上手く歩けない。家に入って「イヤ〜、スゴイ吹雪ですね〜」と言ったら「今日はまだ昨日よりもましなんだよ。昨日は風速36mもあって屋根が吹き飛んだ家があったし、我が家も風でグラグラと揺れたんだよ」と言った途端に家が揺れたので「本当だ!家が揺れている。スゴイ風ですね!」と言ったら何だか揺れ方がオカシイ。これは地震だと云うことになってテレビを点けたら東北で17:18に震度5強の地震が起きたと云う。留萌が揺れたのは20分頃だったから2分ほど時間が掛かって揺れたのだ。
まさに会話と実際がシンクロしたことで笑ったのだった。
叔母の家で食事をして21:30まで話をしてから駅前の旅館にタクシーで向かう途中に北キツネが道路の真ん中で座っていた。街中にキツネがいるというのもスゴイね〜と運転手に言ったら、山に餌が無いのか最近良く見掛けるとのことだった。
この旅館には洋室が2部屋しかない。以前に法事で母と2人で来た時にはツインの部屋で一緒に寝たのだが、その時には母のイビキの音がうるさくて眠れなかったから、今回は別々の部屋にしてもらったのであるが・・・。
大浴場でお風呂にゆっくり浸かって寝たのだが、外の風の音がうるさいのだ。鉄の扉がギィ〜ギィ〜となる様な、若しくは怪獣ゴジラの赤ちゃんのミニラが鳴いている様な異様な音が4時頃まで続いて眠れなかった。
今回の旅は、前日も雪かきで忙しくてしっかり準備が出来ず、睡眠導入剤を持ってくるのを忘れてしまったのだ。
お酒を飲んで寝ようかとも思ったのだが、自動販売機には焼酎が無く、ビールだけしか置いてない。ビールは痛風の発作が恐いからあまり飲みたくないのだ。すぐ側にコンビニもあるのだが、この吹雪の中を買いに行く気にもなれないので諦めて目をつぶっていたのだった。