«前の日記(■2013-01-29-Tuesday) 最新 次の日記(■2013-01-31-Thursday)»
 | トップ |  | ビル概要 |  | テナント構成 |  | 沿革 |  | アクセス |

観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2013-01-30-Wednesday 誕生日2

29日は私の55回目の誕生日である。

昨日のブログに書いたように札幌で「スパイ冤罪事件 宮澤・レーン事件の真相を広める集会」に参加してきたが、今回の札幌行きにはもう一つの目的があった。

これも奇妙な縁とでも云うべきことなのだが・・・。

私の知人で奈良在住の作家、寮美千子さんの旦那さんから「マジックが趣味の坂本さんに面白い情報を上げる」とメールが届いた。彼の知人で、勇崎哲史さんという沖縄在住のカメラマンのお父さんが、昭和9年頃から札幌で活躍していた勇崎天暁さんというプロマジシャンの人だというのである。

天暁さんのことは2009年12月に東京堂出版から発行された「マジックグッズ・コレクション(土屋理義著)」に載っており、文中に「十勝毎日新聞」だの「藤丸百貨店」だのとの記述が出てくるから「ヘェ〜そんな人が居たんだぁ〜」ということは知ってはいたのである。

その時には、沖縄なら遠いから話を聞きにも行けないしなぁ〜と思って聞き流していたのであった。

その後、横浜のマジック研究家の植木將一さんから「同じ北海道なら勇崎天暁さんて云うマジシャンのことを知らないか?」との手紙を頂いて思い出した次第なのである。

そこで、寮さんの旦那さんにメールをして沖縄の勇崎哲史さんのアドレスを教えてもらい、その後哲史さんと何度かメールの交換をさせてもらっていたところ、お兄さんの建夫さんという方が札幌在住で、お父様と舞台にも一緒に立っていた経験もあるから、そちらを紹介するということになったのであった。

それが去年の10月頃のことであった。

それから昨日まで、札幌には2度ほど行く機会があったが、最近は日帰りが多くてなかなか十分な時間が取れないのだ。

このままでは永久に機会を逃してしまうかもしれないと思い。失礼だとは感じたのだが、札幌駅に到着してから、会議に出席するまでの1時間ちょっとの時間で、まずは顔見世的に一度会っておいて、後日にじっくり時間を作ってもらうように勇崎建夫さんにお願いしてみたのである。

そうしたら気持ち良く了承してくれて、札幌駅構内の喫茶店で勇崎さんと1時間20分ほどの面談時間が作れたのであった。

喫茶店内だったので写真や資料はほんのわずかお持ち下さっただけだったが、非常に興味深い話しで、ついつい時間の経つのも忘れてしまい、肝心の用件に遅刻するところであった。

写真の中には、帯広の藤丸百貨店での顧客に対するマジックショーの写真もあった。これはおそらく藤丸にもない貴重な写真であろう。

天暁さんは、マジシャンであり、実業家であり、若いころから弁論が立った方の様だ。マジシャンとしては舞台にも立ち、また自ら考案した道具を製造販売もしていたようである。またマジックの演技とコマーシャルを合体させるなどの先進的なCM活動を行い、後年は企画会社を作って芸人のマネジメントもしていたようだ。

実業家としては商戦商事という卸問屋のような仕事をしており、北海道各地のデパートなどに商品を卸していたとのこと、また「魔法糊」」という今で言う「瞬間接着材」をマジック道具の開発から発明し、特許も取得して、小学生などの図工工作に「のりしろ不要の工作」として貢献したり、本の背表紙の糊として、和綴じの本から現在の本への転換をされた方だとか。

また印刷業などもしていたようである。多彩な方でチャート等の作り方も優れたものがあり、非常に論理的で先進的な活動をされていた方のようで、興味が尽きない話の連続であった。

「今度はじっくり聞かせて下さい」と別れたが、北海道にこんな面白い先達が居たのかと思うとワクワクして来た。

日帰りで帯広に戻ったが、かなり私の印象に残ったのであろう、何とその晩の夢に天暁さんが登場したのであった。