入る前段で安倍首相はアメリカに対して自動車の関税を撤廃しない旨の趣旨を伝えたと云うが・・・。
要は、アメリカの自動車産業界を保護する為に、日本車の輸入に関しては今まで通りの関税を掛けても構いませんよ。その代わりに日本の農業を守る為に農産物の関税撤廃は避けてもらえませんか?とでも言うつもりなのはミエミエである。
こんな交渉をするくらいなら、最初からTPPなんぞに参加するなんて言わなきゃ良いのに・・・。
今朝のワイドショーでは医者が「混合診療を入れると公平性、平等性が損なわれ日本の医療が壊滅する云々」という類の話をしていて「だから医師会としてはTPPに反対だ!」と言っていたが、この話は明らかにオカシイと感じた。むしろ医療に関してはTPP賛成派の言っていることの方が、医師会が言っていることよりも正しいのじゃぁないかと思った。
私はTPPなんてものに賛成とか反対とか、日本にとって得だとか損だとか言っている現在の政治家や評論家の話は全てピンとこない。
そもそも、世界中を関税無しにすることで一体何が起こるのか?弱い産業が淘汰され強いものが生き残るということを目指しているのであろうが、ナンセンスも甚だしい。
それぞれの国にとって必要な産業というものが当然あるはずだ。
グローバルな世界なんていうものは一部の金の亡者共が追求しているイリュージョンにしか過ぎない。
理念無き単なる効率化は人類を不幸にするだけだ。
効率化の理念は人類を重労働などから解放し幸福にすることのはずである。効率化は手段であって目的ではない。現在の効率化は、効率化を目的とした効率化の為の効率化で、行きつく先は人の仕事と尊厳を奪うことだけである。
もはや、手段と目的がバラバラになってしまっている。
TPPなんてものをやっても、人類の幸福にとっては何にも意味がない。
人は貧しくとも、毎日、毎日何等かの仕事して、お金を稼ぎ生活することで尊厳が保たれているのだ。
効率化して省力化して、人を減らし、働き手を減らして、それで企業が金を儲けても、職を失った多くの人は、その企業が生産した製品を買うことすらも出来なくなる。
金をたくさん儲けた人の施しに依って生活費を支給されるような生活は奴隷と何ら変わりがない。
人心が荒めば犯罪も増える。防犯の為に金を使い、他人を見たら泥棒と思えみたいに他人を信じられなくなる社会が健全な社会なのか?
銀座の○源ビルの社長が脱税容疑で逮捕されたが、81歳にもなって一人身で、しかも後継者もいないと云うではないか?金をあの世に持っては行けないのに、そんなに金に執着して一体何があるのだろう。
大儲けする必要なんてないのだ。日々の生活が出来るお金と少々の蓄えがあればそれで良いのではないか?
仕事をシェアし合って暮らす世の中の方がよっぽど良い社会だと思うのだが・・・。