これまでに数百回もやってきてるのだから・・・。
55年の人生の内のおよそ3分の2を酒の世話になっている。計算が合わないのは、18歳で大学生になって親元を離れてからは、ほんとんど毎日酒を飲んできたからだ。
それ以前にも親の目を盗んではしょっちゅう酒の世話にはなっていたが、親元を離れて一人で東京の下宿で暮らすと、親の目をまったく気にすることなく酒が飲めるのはとても開放感があってよかったのである。
毎日、毎日大酒を飲んでとことん酔っていたのであった。若い頃から飲み続けていたからか、それとも既に肝臓がマヒしていたからなのか、少々の酒では酔わなくなっていたから、自然と酒量が増えていったのである。
最初はビールが大好きでビールばっかり飲んでいた。親の所に中元や歳暮でくるビール券を、所属しているマジッククラブの宴会で使うからと嘘を付いては貰って帰ってビールを楽しんでいたのだが、ビールのアルコール分は少ないから大瓶2本飲んでも酔えないので、毎日3本は飲んでしまう。だからビール券は2ヶ月も持たなかったのであった。
学生時代は親からの仕送りで生活しているが、酔う為に飲むにはビールは高過ぎるのである。アルコール分が少ないから相当量飲まないと酔えないからだ。
安くて酔える酒はウィスキーが一番である。
今でこそ毎日、芋焼酎ばかり飲んでいるが、当時は焼酎は臭いし、アル中の酔っ払いが飲む酒だと思い込んでいて飲む気にならなかったのであった。
何度か、空腹にウィスキーを割らずに飲んで、胃炎を起こしたこともあった。その内、酒を飲み過ぎて、酒が不味く感じるようになったら、1週間ほど禁酒して胃腸の調子を戻してから、また再び飲むと、これがまた美味いのである。つまり私の禁酒は、美味い酒を飲む為のものであった。
今年も、正月からこれまでほとんど酒を切らしたことがないが、4日前ほどから酒が不味く感じるようになってきた。
こうなったら酒を止めるに限る。
1週間も禁酒すれば、また美味しく酒が飲める。
たま〜に酒を止めてみるのも良いものである。