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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2013-03-25-Monday 勝毎「論壇」

2013年3月25日十勝毎日新聞「論壇」掲載

「現在(いま)が良ければ・・・」

最近の政治ってどこかオカシクはないだろうか?政治が目指すものは「最大多数の最大幸福(J・ベンサム)」であると昔習った記憶があるが・・・。原発にせよTPP(環太平洋連携協定)にせよ、多数の国民が望んでいるとは思えない方向に進んでいるように感じる。

原発が活断層の上にあるから危険だとか、地滑りだから安全だとかという類の論議はナンセンスである。

立地が安全であろうと危険であろうと、それ以前の問題だろう。原発を稼働させれば何万年も放射能を放出し続けるごみが出る。この核のごみは現代科学では処理不能なのだ。どこにどうやって保管するかも決められないのに、この先さらにごみを増やしてどうするつもりなのか。

3・11から丸2年がすぎた。震災特集の番組で、福島第一原発の敷地一杯に今でも汚染された冷却水の保存タンクが建造され続けている場面が映った。廃炉にするまでには数十年間も燃料棒を冷やし続けなければならないそうだが、今後3年間で3倍の量のタンクが必要になるとのことだ。たまった放射能汚染水の処理はどうするのだろう?日本中をタンクだらけにするつもりなのか?電力会社は原発事故の債務は原発を稼働させることで賄うつもりでいるのかもしれないが、問題の先送りにすぎない。

TPPも安倍内閣はアメリカに尻尾を振って追随するつもりなのだろうが、TPPはグローバル化を推進しなければ行き詰ってしまうアメリカ経済の最後のあがきであろう。

アベノミクスとやらが自国の通貨価値が下がると喜ぶというのが私にはサッパリ分からないが、TPPが得だとか損だとかという論議もそれ以前の問題ではないのか。

グローバル化をしたら世界中の人間が幸福になるのか?マジックにマイザーズ・ドリーム(欲張りの夢)という無尽蔵にお金が出てくる演目があるが、金の亡者の幻想である。

潤うのは10%未満、残り9割以上の人は不幸になるだけ、それこそアメリカ社会の追随である。大企業のお偉方の中には、JNP(国民総生産)の数%の農林水産業を保護するより、自動車などの輸出を伸ばして、もうけた金で農水産物を買えば良いというご仁が多数存在する。しかし、グローバル化すれば、製造業は遅かれ早かれ人件費が安い国に工場を造るであろう、そうなれば、日本は工業も農業もすべてを無くしてしまうことになる。 

たった67年前には都会人が大切な着物を持って田舎に行き、頭を下げて食料を物々交換してもらっていたことを忘れてはいけない。