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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2013-03-26-Tuesday TPP

昨日25日付けの

十勝毎日新聞「論壇」に載った私の文章を読んだ、とある先輩と偶然一緒になり話す機会があった。

その先輩曰く「坂本君はTPPに反対のようだけど、十勝の農業は余所の地域の農業とは違ってTPPはむしろ有利に働くのではないか? 小麦やビートはやめて、高く売れる野菜を作ったら良いのだ・・・」と云う様な話なのである。

この先輩も私の文章を良く理解されていないようだ。

私は「損だとか、得だとかと云う観点でTPPを捉えるのは誤りだ。現在(いま)が良ければ・・・と云う次元の低い話ではなく、もっと先の将来を見据えて、自給自足を目指していかなければ日本という国が危うくなる」と言っているのである。

所詮、TPPのように貿易障壁を無くして世界をひとつにする、いわゆるグローバル化は人類を幸福にする政策ではないから、むしろ、国ごとに独自の政策があっても良いと考えているのである。

グローバル化が進めば、世界はどうなるかを想像してみればよい。

人件費の安い国へ安い国へと工場を建てて移動していくだけだろう。現実を見てみたらよいのだ。

中国は人件費が安かったから世界中から沿岸部に工場が集まり中国の経済は世界第二位のGNPを誇るようになった。しかし、奥地の村は貧しいままで経済格差はモノスゴイことになっている。億万長者が1億人ほども出現したが残りの10数億人(中国の人口はハッキリ分からない)は昔のままなのである。中国は共産主義の国だぞ!それなのにこの格差は何だ!共産主義でこれはありえないことだろう。何の為の共産主義なんだ!

中国は農業輸出国であったはずだが、最近は輸入国になってきている。食生活が欧米化したせいもあるだろうが、農業よりも工業の方が金になるから農地を潰して工場を建てる。荒れ果てた農地は砂漠化して黄砂の基にもなってもいる。国民の健康よりも金だから、環境問題は二の次で、工場からの廃気や廃水は公害の基になっている。こんな状態の中国の国家体制は早晩壊滅するであろう。

中国がそんな状態でしかないのに、人件費が高騰してきたから(暴動もある)といっては、今度はベトナムだミャンマーだと人件費がまだ安い国に工場を移し始めている。

世界中をただその場限りで動して、すぐにポイ捨てする。国民生活にも環境にも無関心だ。余所の国のことなんか構っていられるか!金だ!金だ!金だ〜!

こんなグローバル化は、一部の金持ちのイリュージョン(幻想)にしか過ぎない。こんなものが良いなんて言ってる連中は金の亡者か、騙されている愚かな奴等である。

ごく普通に生活できたらそれで良いではないか。

人間の生涯に必要な金は一人2億円もあったら十分である。リストラして人件費を減らした会社の役員が一人で数10億円もの給料を取るよりも、一人でも多くの人間を雇って20〜30万円ほどの給料を払った方が経済は上手く回るだろうと思う。

あの世に金なんぞ持っていけないのだから・・・。