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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2013-08-06-Tuesday 東北まつり行脚4

6日、旅の最終日である。

帰りの青森ー新千歳間の飛行機の時間の選択肢は、JALの時刻表では青森空港発12:45−13:30新千歳空港着か、その後は20:25−21:10しかない。

昼の便で帰ったら、青森の観光は出来ないし、夜の便で帰ったら帯広の繋がる列車に間に合わないという実に中途半端な時間なのである。

このまま帰ったら「淡泊4日の旅」で終わってしまうところだから、観光がしたいと言うので、新千歳空港でもう一泊することにして夜の便で帰ることにした。こうなると逆に時間はタップリとある。

事前には観光の計画をまるで立てていない。行き当たりバッ旅というやつである。観光案内所に電話して、けっきょく貸し切りタクシーで回るのがベストだろうという結論に達した。値段も交渉した結果、かなり安く対応してくれたのであった。

ホテルをチェックアウトぎりぎりの11時に出てスタート。まずは、五所川原の「立ねぶたの館」に向かう。

五所川原の立ねぶたは高さが23mで重さも17tもあると云う。最初に立てた計画では五所川原は入っていなかったのだが、行く先々で、秋田の竿灯、弘前のねぷた、青森のねぶたの3ヶ所を見て、五所川原の立ねぶたを見ないのか?と言われたのである。でもそれほど気にも留めていなかったのだが、ホテルのテレビのニュースで五所川原の立ねぶたの姿を見たらぜひとも見てみたくなったのである。

高さ23mといえばビルの5〜6階くらいの高さに相当する。そんな巨大な立ねぶたならぜひテレビ画面を通してではなく実物を見たくなったのである。

「立ねぶたの館」はこの立ねぶたを仕舞って置く倉庫でもあり、展示場でもある。五所川原の立ねぶたは青森のねぶたと違って毎年壊してしまうわけではなく保存しておくのだそうだ。

雨風から立ねぶたを守り、次の年にまた使うまでの間、ただ倉庫に仕舞って置くよりも、それを観光客に見せるようにしようという一石二鳥の施設なわけだ。

立ねぶたはビルの5〜6階建の高さがあるのだから、足場を組んで作った仮のテントではとても1年なんてモタナイだろう。しっかりとした建物でも6階くらいの高さのビルでなきゃとても収まらない。でも五所川原にはビルが無い。ビルがあったとしても立ねぶたを収める空間がない。ならビルを建てちゃおう!観光客から金を取れる施設を兼ねたビルを!

で、もって高さ38m地上6階建てのビルを建てちゃった。これを考えた人はあったま良い〜なぁ〜。素晴らしい!

この後、金木に行って太宰治記念館「斜陽館」に行く。太宰治は私が最初に感銘を受けた作家である。高1の時に太宰の「人間失格」を読んで衝撃を受けた時のことは忘れられない。

太宰の実家の津島家はこの辺りの大地主で、1907年に建てられたという和洋折衷の大豪邸は見ごたえがあった。

芦野公園の太宰治の銅像を見に行ったが、車では銅像の前まで行くことができない。桜のトンネル状の並木が続くところを200mほど行った先に太宰の銅像があった。斜陽館には観光客が一杯だったが、ここには私たちしかいない。歩くのが嫌なのかなぁ〜。ここに桜のシーズンに訪れたらきっと素晴らしい景色だろうなぁ〜。

ここから青森市内に戻って、棟方志功記念館に行く。思っていたよりも小さくて展示作品も少なくて一寸ガッカリ。

次は、三内丸山遺跡である。以前に青森を訪れた時にも見たいと思っていたのだが冬で見られずにいたのだった。市民ボランティアによる無料解説のツアーに参加したのだが、とても良かった。時間があったらもっと見ていたかったほどだ。想像力をかきたてられる施設である。古代のことをあれこれ想像してみることが大好きだから私にはピッタリの場所であった。

まだ発掘作業の途中であるから、今後もきっと何かしらの面白い発見が出てくるのではないだろうか。

この後、すぐ隣にある県立美術館に行く。白い近代的な箱型の建物である。入ってすぐにシャガールの超巨大な舞台背景画が3つぶら下がっているが、その展示室は体育館並みの高さと空間の広さである。あまりの広さに圧倒された。その後は青森ゆかりの現代抽象画が続くが、私は抽象画はサッパリ理解できない。絵を見て歩いている内に空間がゆがんでいるような錯覚に襲われた。真っ直ぐに歩けなくなったのである。私の感覚が混乱を起こしてしまったかのようである。な〜んとなく気持ちが悪くなってきた。唯一写真撮影が出来る巨大な「あおもり犬」という犬のオブジェがある。美術館の中からガラス越しに見えるのだが、写真を撮りに行こうとするとそのガラスからは外に出られない。見に行くのには一旦外に出て、階段を昇ったり、降りたりさせられるのだ。きっと作者や美術館にはこだわりがあるのだろうが・・・。

何だか、不思議な感覚になった美術館であった。ちょうど閉館の18時になった。もう他には見るところもないし、あったとしても閉館時間であるから、少々早目だが、青森空港に行くことにした。

青森空港でタクシーを降りた途端に雨がザーザーと降って来た。晴れ男が去ろうとするだけでもう雨になる。

空港のカウンターでは千歳方面が濃霧の為、降りられない場合は引き返すか羽田空港に降りることを了承して欲しいという。

私はこれまでに百数十回飛行機に乗っているが、目的地に遅れて着くことはあっても別の場所に降ろされたことはない。晴れ男の私が乗っていれば飛行機も着陸できるのである。全然、心配することもなく乗っていたら無事に新千歳空港に着陸したのであった。

まだ、晴れ男の御利益は利いているようだ。