引退会見を行なった。
つい先日映画館で観た「風立ちぬ」が最後の作品ということになる。
今回の「風立ちぬ」も公開7週目で89億円の興行収入を上げているというから順調にいっているようなのに・・・。
現代なら72歳はまだまだ現役でもやれる年齢だろうが、アニメーターという仕事には若さというのも重要な要件なのであろう。
造りたいテーマが少なくなってきたということなのかもしれない。
宮崎監督作品では「千と千尋の神隠し(2001年)」が304億円の興行収入を上げたのが最高だという。
「風立ちぬ」の製作費は公式発表は行なわれていないというが、約50億円が掛かっているというから、宮崎アニメーションの製作には膨大な人手とお金と日数が掛かっているのだなぁ〜。
私は宮崎作品では「風の谷のナウシカ」が一番好きだ。
特に、福島第一原発事故の後にもう一度見直してみると、そのメッセージ性はかなり強烈であることに気が付く。
引退後は「私は自由だ」と言ったというから、やりたいことが沢山あるのだろう。私も気が多い方だから、宮崎監督の気持ちは少しは理解できる。
新しい宮崎作品が見られなくなるのは寂しい気もするが、宮崎駿なら、きっとアニメーション以外にも何か面白いことを見せてくれるかもしれないという期待もある。
体力の限界までしがみつくという生き方もあるのだろうが、余力を残して去るというのも美しい引き際ではないだろうか?
後進に道を譲るという精神もリーダーには必要である。
地位にしがみつく姿勢は醜く見えるのは日本人のメンタリティーではなかろうか。
宮崎駿の引き際は見事だと思う。