とあるマジシャンの来訪があった。
以前からメールのやりとりはしていたのだが、お互いに休日の日程が合わずにこれまでずっと会えずにいたのである。
そのマジシャンYさんは公務員なので平日には休みが取れないのだ。
10日は代休で映画を観た帰りに寄ってみたということで、ギリギリ、私が退社する直前に間に合ったという次第である。
時間が無かったので6階のマジック関係の図書館をサッとだけ見て、3階のマジック道具の分類をしている場所も見てもらった。
話を聞くと、マジックを始めてからまだ8年ほどだということだ。前任地は九州で、九州中のマジックバーを全部回ったという。
北海道には去年12月に赴任したそうで、札幌のマジックバーも2軒ほど見てきたが、帯広にはマジックバーがないと嘆いていた。
Yさんが「マジックを見せましょうか?」と言うので見せてもらった。
お札を使ったマジックで数枚の千円札が五千円札に、五千円札が一万円札に変化していくマジックである。
初めて見るマジックであった。
これはYさんのオリジナルマジックだそうで、マジックを始めてすぐに考えたものだという。
マジックを演じる人は大勢いるが、マジックを創作できる才能はまた演技とは別物である。創作の方が百倍以上も難しいのだ。
それをたったの8年間でオリジナルを数百種類も創作したというのだから驚きである。
マジックの発想法が完璧に頭の中に出来ているのだろう。私もかつては創作に燃えたことがあったが、自分で考え付いたと思ったものは既に似た様なモノを考えていた人が居て、完全なオリジナルというのは大学生時代に作った舞台用の演目5種類程度でしかない。
とても面白い人が帯広に赴任してくれたものだ。転勤になる前にもっとマジックを見せてもらいたいものである。