全国大学生生活協同組合連合会が、国公私立30校の大学生に、一日の読書時間を尋ねたら、今流行りの電子書籍を含めて本をまったく読まないと云う「0分」と答えた学生が40%を超えたのだそうだ。
紙に書かれた活字を読んでいないと落ち着かないという活字中毒気味の私にとっては信じられないことだ。
そもそも学生と云ったら「本」であろう。
私が大学生だった頃は、暇さえあったらというか暇しかなかったのだが、一日に1冊は文庫本を読破していた。
親からの仕送りの額は少なかったが「本を買うので金を送れ!」と電話すると親も学校の本代ならと送金してくれたものであった。しかし、実際に買ったのは勉強に使う本ではなくてマジックの本を購入していたのだが・・・。
でも「本代」と云うのはまるっきりの嘘ではない。私は学校の本とは一言も言っていないのに親が勝手に早合点しただけである。
読んだ本を捨てられない性分なのであるが、卒業して帰郷する際に文庫本は後輩に全部上げてきた。現代と違って宅急便なんてものがなかったから送料が物凄く高かったのである。しかし、「マジック関係」の書籍は捨てられなかったから、これだけは高い送料を払っても自宅に送ったのであった。
毎週のように神田神保町の古本屋街を歩き回った。
大学生の頃も図書館には行かなかった。本は読むだけではなく、所有をしたいからだ。
司馬遼太郎の書斎の写真が載っていた本を見て、自分も将来は本に囲まれた生活を夢見ていたからだった。
我が家の3人の子どもたちも、母親に似たのか本をあまり読まない。唯一私の血を引いて読書好きなのは次女だけである。
若い世代が本を読まなくなったら、ますます本屋さんが無くなってしまうではないか。そうなると困ってしまう。本は読まなくても本屋に行って背表紙を眺めているだけでも楽しいのに・・・。