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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2014-03-26-Wednesday 千里眼

ヤフーオークションを検索していたら・・・

ヤフオクで「千里眼」と入力して検索したら「御船千鶴子の書の掛け軸」にヒットした。

値段は1000円である。

「御船千鶴子」といっても一般の人は知らない人物であろうと思うが、ホラー映画「リング」(鈴木光司原作)で、長〜い髪を垂らしてテレビ画面から這い出て来る貞子のモデルの一人といったら分かる人もいるかもしれない。

明治36(1903)年頃から昭和の初期頃まで(ブームは大正時代に終焉した)世間を騒がせた、世に言う「千里眼事件」の登場人物の一人である。

東京帝国大学の福来友吉(1869〜1952)博士ら複数の学者が「千里眼」すなわち「透視」を真面目に研究していた時代であったのだ。学者の中には東京帝国大学の元総長で日本物理学界の大御所であった山川健次郎博士(NHK大河ドラマの八重の桜の中にも登場していたが、父は会津藩家老山川重固、妹は大山捨松)などもいたから大真面目に超能力を研究していた時代でもあった。

この時期に「透視能力」があると云う人物が全国各地でかなりの数出現したのだ。

熊本では御船千鶴子、四国香川県では長尾郁子、東京では高橋貞子、宮城県では三田光一などが名乗りをあげていたのだ。御船千鶴子は「透視」が手品のトリックを使ったインチキであると指摘されたことに抗議したのか明治44(1911)年1月に24歳で服毒自殺を遂げているから、「リング」の貞子のモデルは、御船千鶴子と長尾郁子と高橋貞子のエピソードを一人に集約したものだと言えよう。

その「御船千鶴子」の書を掛け軸にしたものが出品されたのである。

一応、私の蔵書の中から福来友吉博士が書いた「心霊と神秘世界」という本に御船千鶴子の書いた手紙の写真が載っていたので、その文字と見比べてみたのだが・・・。

「御船千鶴子」という署名があるわけではなく読めない落款が押されてあるだけで、手紙の文字と書道の文字は違うからよく分からない。掛け軸を丸めた所に「御船千鶴子」とは書かれているが、これはおそらく持ち主が書いたものであろう。どうも真贋がハッキリしないので3200円とだけ入れておいて万が一これで落札できたらそれもよし、落札できなくてもそれもよしとすることにした。

26日22:38締切りであったが、誰かがそれ以上の値段を入れて落札したようだ。

私のコレクションの中には、かのスプーン曲げで一世を風靡した「ユリ・ゲラー」が描いた油絵なんてものもあるのだが・・・。

今回は、以前に落札した「松旭斎天一」の書のようなワクワク感が無かったから私の中では「マガイモノ」ということにしておこう。