小保方晴子女史が9日に大阪市内のホテルで記者会見をした。この会見に掛った費用は自腹だという。
私は会見の模様をすべて見たわけではなく、夜のニュースで断片的に見ただけであるが印象は「論点のすり替え」にしか感じなかった。
おそらくは同席した弁護士先生の戦略なのだろうが、小保方さんの「女子力」をフルに使って、冷徹な科学の世界の話を、世俗の情緒の話にしようという魂胆にしかみえないのだ。
会見で小保方さんは自らの未熟さを反省していたが、科学の世界では今回の論文は、悪意が有ろうと無かろうと異なる画像を使用したり、画像の加工をしたりだとかのミスだらけなのだし、筆頭著者の小保方さんがそれを認めているのだから論文としての信用性は完全に消失したであろう。
カワイイ女性が「私ちょっと未熟でしたわ、ごめんなさい。でも本当なの信じて」と甘えて言えば、世の中の大抵の人は可哀相だなぁとか頑張ってほしいなぁとか思うのだろうが、
しかし、それは許されないのではないだろうか。
だが、もっと許されないのは「理研」の対応であろう。
1月末に最初の発表があった際には、理研はむしろ小保方さんの「女子力」を前面に押し出して世間にアピールしていたではないか。
もしも、このまま理研が、これ以上の検証をせずに小保方さんを切ったら、世間では「小保方さん可哀相〜」という方向になるだろう。
あまりに検証が短時間だったし、研究ノートの数の件にしても検証が不十分で拙速感は否めない。このままでは今度は理研が世間から攻撃される側になるだろう。
そもそも、STAP細胞はIPS細胞よりも簡単に作りだせることが売りなのだし、小保方さんも会見では200回以上も作製に成功していると言っているのだから、レシピやコツは公開できないなんて言っていないで、衆人環視の前で実験をして実際にSTAP細胞が出来るところを公開すればいいではないか。
それをしなければ、いつまでたっても水掛け論のままでいたずらに時間だけを浪費することになる。
理研側はこの論文がアウトになった時点でSTAP細胞は全てアウトと云う科学的な見解なのだろうが、世間ではもはや情緒的な問題になっていることを考慮しなければならないだろう。
小保方さんと云う人は、これだけの逆風の中で3時間近い会見をやれるのだから度胸もスゴイものだと感心するが、果たして彼女は天才なのか、それともたんなる思い込みの激しい妄想家なのだろうかそこが知りたい。
それともう一点気になることは、もしも小保方さんが冴えない男性だったなら、もしもブスなおばちゃんだったなら、マスコミや世間の反応は一体どうだったのだろうか?