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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2014-09-07-Sunday だいどんでん

札幌での大道芸が5〜7日まで

札幌市の駅前通など中心部で開催される。

先の8月14〜16日まで帯広の平原まつりで同時に開催した「北の大地de大道芸フェスティバル」にも出演してくれた「山本光洋(2007・2009・2014)」「桔梗ブラザーズ(2014)」の2組、そして過去に出演してくれた「セ三味ストリート(2006)」「森田智博(2010)」など帯広との関わりがある芸人も数組出ているし、他の地域で行なわれている大道芸がどのように運営されているのか、この目で確認することも重要だと思い、視察に行って来たしだいである。

ちょうど妻も札幌での仕事があるので一緒に出掛けて行ったのであった。

8月30日からJRのダイヤが改正され、特急Sおおぞら2号の帯広駅の発車時間が40分ほども早まったので、札幌での仕事時間がますます長く取れるようになって便利になった。

だいどんでんの開始時間は13:00からである。それまでまだ時間があるので新しく出来た道庁前の「AKARENNGA」ビルを見る。新しモノ好きはどこの地域も一緒で見物客がで溢れていた。4階のイタリアンレストランで昼食を取ろうかと思ったらやはり混んでいて、12:30からなら入れると云うので予約を入れて外に出た。赤レンガを敷き詰めた広場(道路を車が入れないように封鎖した)ではアメリカ大リーグの催しを行なっている。

帯広も思い切って常設でこのような広場を造れば良いのに・・・、十勝環境ラボラトリー(TKL)が18年ほど前に提案した頃は、帯広のお偉いさん達は全員が無視したプランであったが・・・、こうして他の都市で行なわれた途端に「素晴らしい」と言い出すのだから・・・。

まぁ現物を見なければ理解出来ないというのは想像力と云うものが欠如しているだけなんだけどもね・・・。

歩いて三越前まで来てしまうと、また「AKARENNGA」まで戻るのが面倒になってしまったので予約をキャンセルして近場で昼食を済ませたのであった。

「だいどんでん」は別名「さっぽろパフォーマンスカーニバル」と云い、今年で14周年らしい。

数年前に札幌に出張した際に偶然見かけたことがあったが、その時は時間が無くて見る事が出来なかったので、じっくり見るのは初めてである。

パフォーマーはクラスが3段階に分かれているようで、パンフレットを見てみると、今回は6組の「ゲストパフォーマー」と11組の「ピックアップパフォーマー」、そして96組の「一般パフォーマー」で出演者が総勢113組という布陣である。

「ゲストパフォーマー」には旅費、宿泊費などが支給されるとのことだが、「ピックアップパフォーマー」には宿泊費は支給されるが旅費は支給されないそうだ。出演したければ旅費を自腹で払って来るんなら出演OKということらしい。「一般パフォーマー」に至っては旅費、宿泊費などは一切無しだとか。

ようは路上で札幌市民や観光客の前で自分のパフォーマンスを披露する機会を提供しましょうというスタイルなのかもしれないなぁ〜。

演技が終了した後に芸人が観客から集める「投げ銭」も、芸人の懐にはそのまま入らない仕組みになっているそうで、会場に居る係員が芸人が集めた投げ銭をそっくりそのまま袋ごと事務所に持って行って、そこで集計し、1割の源泉徴収税を札幌市が徴収してから後日、芸人に銀行振り込みで渡されるのだそうだ。

ウ〜ン。帯広のやり方とは随分と違いがあるなぁ〜。

正直この運営方法はあまり参考にはならなかったなぁ〜。

この「だいどんでん」を企画した人は「藝」というものが解っていないのだろうし、更には「大道芸」というものが解っていないのじゃぁないだろうか?

何だかお役人が杓子定規にやっているような感じがして仕方がない。

大道芸人にとって「投げ銭」というのは単なる「お金」ではない。「投げ銭」には自分の演技に対する観客の評価がそこに有るのである。だから、芸人にとって「投げ銭」というのは金額の多寡がその場所でのパフォーマンスに対する観客の反応を直に感じとるバロメーターの役割も持っているのだ。

だから係員がそのまま事務所に持って行くという行為は、さながら時代劇で役人が農民から「税」として米を奪って行くような行為に重なって見えてしまうのである。

後から税金分を差っ引いて芸人の銀行口座に振り込むというのは芸人にとってはとてもシラケテしまうやり方であろう。

札幌の観客の大道芸の見方もあまり感心できるものではなかった。まだ帯広の観客の方が数段マシである。帯広は私が新聞などで大道芸の見方を啓蒙した効果が出ているのかもしれないなぁ〜。

観客を促してもぜんぜん前に詰めないから隙間が大きく空いてしまうのだ。これは芸人にとっては地獄である。きっと演技がとてもやり難かったであろう。

もうひとつ気になったのは、演技が始まる前に、ボランティアスタッフがマイクで「これから○○さんが演技を始めます。○○さんは××大会で云々・・・」と説明をしてから演技がスタートする。

大道芸というのはパフォーマーが準備をしながら、街を歩く人を注目させて、足を止めさせ、少しずつ観客として人垣を造っていくところが腕のみせどころなのである。演技する場所があらかじめキッチリと決まっていて、しかも係員から「さぁ、どうぞ!」では大道芸の醍醐味が失われて興醒めである。

パフォーマンスの時間割が30分間で切られているところも影響しているのであろう。30分間の時間内でパフォーマンスを終え、投げ銭を集めて、次のパフォーマーが同じ場所で準備するというのは時間的にも無理がある。ドンドンと後ろの方に時間が押していく結果になる。観客も芸人と触れ合う時間が必要なのに、機械的なプログラムの組み方には問題があるだろう。

パフォーマーのレベルも玉石混交で、あまりにも差が有り過ぎる。

今回、観客を圧倒していたのが、帯広にも来てくれた「桔梗ブラザーズ」であった。

そう考えると、帯広の大道芸に出演してくれる芸人のレベルの高さが窺えるというものだ。今回の帯広では「桔梗ブラザーズ」に負けないくらいに観客を集めていた芸人が数組も居たからだ。

今回の「だいどんでん」に出ている上手い人から下手な人までの差が極端であった「ピックアップ」クラスのパフォーマーを帯広の大道芸フェスに招聘したら、帯広の観客は一体どんな反応をするであろうか?

ジャグリングでは、ボールを7個も回す人から、私でも出来るような3個の技しかできないレベルの人も出演している。

初回の2002年から超一流の大道芸人ばかりを招集してきた帯広では、超難しい技を披露しても、それが当たり前になってしまっていて「フ〜ン」と木で鼻で括ったような感想しか持たない観客がほとんなのである。

いっそ素人に毛の生えたようなレベルの人に出演する機会を与えて、その差を感じてもらおうかしらん。

でもなぁ〜、もはや芸人の質は落とせないしなぁ〜、かと言って、まつりの予算は削られるしで運営者としては困ったものである。