「ジーザス・クライスト=スーパースター」が帯広に公演に来たので観に行ってきた。
私はミュージカルや寄席などの、生の舞台が大好きである。
東京に行った際に、時間が余ったら、すぐに当日券の有無を調べては観に行っている。
東京と云う街は好きな場所ではないから住みたいとも思わないが、こう云う生の舞台が色々な劇場で行われているところだけは羨ましく思う。
帯広に住んでいると普段の生活にはまったく不自由しないのだが、こと演劇や寄席などの生の舞台に関しては年間に数回しかないから、これがとても残念なのである。
やはり映画だけではつまらない。
ジーザス・クライスト=スーパースターは音楽は聞いたことがあったが、ミュージカルを観るのはこれが初めてである。
帯広には私同様に、生の舞台に飢えている人が多いのだろう。会場である帯広市民文化ホールの大ホールには結構な数の観客が入っていた。
顔見知りの方々も大勢居た。
ミュージカルは大好きなのだが、残念に感じたことがいくつかあった。
本当のミュージカルと云うのは舞台前面のオーケストラボックスで生演奏で行なうものであるが、劇団四季のは生演奏ではなく録音した音を使っていた。これでは本当のミュージカルとは言えない。経費削減なのだろうが・・・。
それと、これは帯広の文化ホールの音響装置のせいなのだろうか、音がまるで良くないのだ。
出演者の声をマイクで拾って、スピーカーで流しているのだが、出演者の声量及び力量が不足している為なのか、それともスピーカーが悪いのか、どうも音がスッキリとしていない。ミュージカルで演者の言葉が聞き取れないのは致命的欠陥である。
私達夫婦が座ったのは前から13列目の下手側の席であったが、この列は「親子席」とか云う席で子どもの為に座席を高くすることが出来る席だというが、大人が座るにはクッションが悪過ぎて、お尻が痛くなった。
こう云う席は止めるべきだ。子供の為には座席の上に置けるクッションを貸し出せば良い。
あの座り心地で「S席」料金を取るとは、金を返せと言いたくなる。
私達は、観る前にプログラムを買わなかったので、ストーリーを良く理解していなかった。
「ユダ」や「マグダラのマリア」など従来なら脇役の人物が、主役の設定である。
最近でこそ、ディズニー映画の「マレフィセント」みたいに従来の悪役の側から見た物語りが出るようになったが、おそらく、このミュージカルが初めて上演された頃は、この設定は相当センセーショナルであったろう。
主題はとても興味深くて、且つ面白かったし、全てのセリフが唄というのもなかなか面白いと感じた。
劇団四季のミュージカルはあんまり好きではないが、帯広みたいな地方都市に暮らしているのだからまぁ仕方がないか。
やはり、ミュージカルは帝国劇場で演じられるものの方が素晴らしいと感じた次第である。