青年会議所のA先輩が「お前はどうせ暇なんだから俺につきあえ」とゴルフの誘いである。
「嫌です」と一度は答えたものの、このA先輩、他に付き合ってくれる人が少ないのだろう。結局は強引に付き合わされることになってしまったのであった。
長沼町にあるマオイカントリークラブと云うハワイにあるような名称のゴルフクラブに行くことになってしまった。
私は前日に、青年会議所のじゃがいもクラブで念願の年間優勝を果たし、気分の良いお酒を夜中まで飲んでいたから、翌日早朝の出発ではほとんど寝ていないのである。2時間ほどもウトウトした程度である。飲み疲れと寝不足で何だか頭がボ〜ッとしている。
「お前が運転して行け」と云うのはさすがに二日酔いで酒酔い運転になるからダメですと断わったものの、車中では寝て行く訳にもいかずにずっと起きていたのであった。
ゴルフ場に着いたら、A先輩が70歳以上の老人用のシルバーティからやると言い出す。
初めてやるゴルフ場だから「白杭からやりましょうよ」と言ったのだが、「俺がルールだ。嫌ならお前だけ白杭からやれ」と言うから仕方がないので全員がシルバーティからやることにになった。
私は結構飛ばす方である。300ヤードのミドルではドライバーでは飛び過ぎになるので打てない。ロングホールが400ヤードちょっとでは2オンを狙わざるを得ないからかえって球が荒れるのだ。
しかもグリーンはエアレーションをしていて穴だらけで目土の砂を撒いているからパットの調子が合わない。
ところがこのA先輩のパットが滅茶苦茶この砂のグリーンに合っていたのだろう。外れれば10mはオーバーするような強いパットがポンポンと入るのである。
私は、まるでパットが合わないからパーオン3パットの連続である。
「3パットをするなんてお前は頭が悪いんじゃぁないか!」と云う毒舌に益々イライラして、昨日のスコアとはまるで別人のスコアで上がった。
A先輩は今年初めて30台の39で回ったと大喜びである。
結局、私は最下位のスコアで終わってしまったのであった。
翌日は札幌ゴルフクラブ由仁コースである。
ゼクシオのオープンコンペに参加するという。
最初はA先輩だけシルバーティでプレイすると云うが、さすがに思い留まって全員が白杭からスタートすることになった。
ようやくティショットにドライバーを打てるようになった。
この日のドライバーショットは完璧である。
とにかく良く飛んだ。
同じ組の先輩達が3人共飛ばない人ばかりだから、50〜100ヤードも先に飛んで行く。
昨日の、ティショットが3・5・7番ウッドで打っていたのとは気分がまるで違う。
ところがだ・・・。
ドライバーも好調でとにかく飛ぶ、セカンドショットも好調でパーオンして行くのだが、パットがまるでダメですぐに3パットをしてしまうのである。昨日の砂まみれのグリーンとは違って、ここのグリーンにはまだ砂が撒いていない綺麗な状態なのであるが・・・。
グリーンの上に着けたら、ものすごく早くてタッチがまるで合わないのだ。
途中で尾崎直道プロが4パットしたというグリーンで私も4パットをやってしまったのであった。
せっかく良くなったゴルフの調子が、なんだか、この遠征で最悪の状態になってしまったような気がする。
にぎりもかなりの金額を支払うはめになってしまった。おまけに帰りの運転手は私である。
やっぱり来るんじゃなかったなぁ。