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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2014-10-31-Friday トランプ

マジック博物館の

「トランプの壁」の製作を進めているが・・・、

知り合いの大工さんが手弁当で作業してくれたお陰で、壁そのものは完成した。後は棚にトランプを並べていく作業であるが、これがなかなか大変な作業なのである。

まずは、先週から種類分けをしていたトランプを並べてみた。

マジックに使用するトランプの大きさには、幅の広い「ポーカーサイズ」と幅の狭い「ブリッジサイズ」の2種類があるのであるが、この2サイズ以外にも小さいものや大きいモノもあるのでキレイに並べることができない。

「ブリッジサイズ」はコントラクトブリッジをプレーするのに、手に持ち易くするためにトランプの幅を狭くしている。

手の小さい日本人には、このサイズがちょうど良かったのだろう。私がマジックを始めた1970年代には、マジック用のトリックを施したトランプはほとんどがこのブリッジサイズで作られていたのだ。

その後、日本のマジック界も段々と国際的になってくると、欧米でのマジックで使用されるポーカーサイズへと替わっていったのである。

だから私のように昔からマジックをやっていて、しかも道具を収集するようなタイプの人間は、やたらとトリックを施したトランプの数が多いのだが、それもそのはずで、ポーカーサイズとブリッジサイズの2種類とも所持しているからなのである。

日本では消費税が掛けられる前には、トランプには税金が掛けられていたから、トランプの値段は結構高かかったのである。現在、600円程度で買える「バイシクル」と云うブランドのトランプは当時は倍の1200円もしたのである

マジックに使用するトランプは「紙製」でなければならない。

当時、日本では任天堂などがプラスチック製の安価なトランプを随分製造していたが、プラスチック製のトランプはマジックには向かないのである。

何故なら、プラスチック製トランプは静電気でくっついてしまったり、紙の特性である曲げた状態のまま形を維持することが出来ないなどの点でマジック向きではなかったのである。

当時の日本製の紙のトランプは品質の面ではアメリカ製のトランプに遠く及ばなかった。

アメリカはカジノなどで紙のトランプを大量に消費するから製品の質が良かったのである。

マジシャンにとってトランプは消耗品である。

紙製のトランプは、掌の汗を吸うと端が膨れてくる。カードの厚みが微妙に狂うと指先の感覚で正確な枚数を感じることが出来なくなるので、そうなるともうそのトランプはマジックには使用できないのだ。

私の場合は、特に汗かきなこともあるが、1ヶ月ももたない。

また日本の場合は湿気があるから、トランプの保存には向かない気候でもある。

日本のマジシャンはそんな事情から、トリックカードを作るのに値段が安い「キャラバン」というブランドのブリッジサイズのトランプを使ったのである。

このブリッジサイズのトリックカードは、「FOX LAKE」と云う箱に入れられて売られていた。トランプのバックの色に合わせて赤と青の2種類の箱がある。

外観はまったく一緒なのだが、中身のカードに施されているトリックは異なる。これを並べても一般の人が見たら同じモノにしか見えないだろう。

しかも私の場合は、この「Fox LAKE」の赤箱、青箱以外に、「バイシクル」のトリックカードの赤箱、青箱が大量にあるのである。

壁には、同じ箱のモノを並べたくはないが、中身は異なるので、これをどうやって展示しようかまだ迷っている。

こんなことを繰り返しているから、なかなか作業が進まないのである。

11月中旬には故ジミー忍師の奥さんのマコママがマジック博物館の進捗状況の視察に来る。

何とか、それまでには少しは形にしておきたいと思っている。